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2017/12/12 / 相続Q&A

遺言書が全てとは限らない?相続における遺留分について

家族が亡くなったとき、相続人となる人は、当然財産を相続できるものと思っているでしょう。

しかし、亡くなった人が遺言書を残していれば、他の人が財産を受け取り、本来の相続人が相続できる分がなくなってしまうことがあります。このような場合でも、遺留分については取り戻しが可能です。ここでは、遺言書と遺留分のルールについて解説します。

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遺言書で相続が得られない場合は?

遺言書は法定相続よりも優先する

人が亡くなったとき、相続人となる人の範囲や相続する割合については、民法で定められています。民法上定められている相続のルールを法定相続といいます。

相続については、必ず法定相続に従わなくてもよく、本人が生前に遺言で相続方法を指定することも可能です。15歳以上の人であれば、遺言を書いて自分が亡くなった後の財産の処分方法を指定できます。遺言相続は法定相続に優先するというルールがあり、遺言書があれば遺言書どおりに相続が行われることになります。

遺言書があっても遺留分は確保できる

たとえば、亡くなった人(被相続人)が愛人に全財産を遺贈する旨の遺言書を残している場合、そのとおり相続が行われるとなると、家族はたまったものではないでしょう。被相続人の配偶者や子などは、通常、被相続人の財産に依存しています。遺言書があるため自宅も何も相続できないとなると、残された家族は生活に支障をきたすことが考えられます。

こうしたことから、相続人になる人のうち、被相続人に近い親族には、遺留分という最低限の取り分が設けられています。そして、少なくとも遺留分については、遺言書があっても確保できるようになっています。

遺留分は手続きしなければ取り戻せない

遺留分は、放っておいても自動的に確保できるものではありません。遺言書があるために相続できない状態が発生しているなら、自己の遺留分の取り戻しを請求する手続きをとらなければなりません。

遺留分の取り戻しを請求することを遺留分減殺請求といいます。遺留分減殺請求権には時効もあるため、放置していると遺留分が取り戻せず、遺言書どおりの相続が確定してしまうことになります。

遺留分減殺請求ができるのは、相続開始及び遺留分侵害を知ったときから1年となっています。また、相続開始及び遺留分侵害を知らなくても、相続開始から10年を経過すれば請求できなくなってしまいます。

遺留分のルールについて

遺留分権利者とは?

人が亡くなって相続が開始したとき、相続人となるのは、配偶者と一部の血族になります。血族については、次のような優先順位が定められています。

  1. 第1順位 子(または代襲相続人)

  2. 第2順位 直系尊属

  3. 第3順位 兄弟姉妹(または代襲相続人)

このうち、遺留分が認められているのは、配偶者及び血族の第1順位・第2順位の人になります。第3順位の兄弟姉妹には遺留分はありません。なお、遺留分のある相続人のことを遺留分権利者といいます。

遺留分の割合

遺留分の割合については、次のように定められています。

(1) 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1

 

(2) (1)以外の場合 被相続人の財産の2分の1

上記は相続人全員での遺留分になり、総体的遺留分といいます。各遺留分権利者の遺留分は個別的遺留分と呼ばれ、総体的遺留分に法定相続分をかけて算出します。

たとえば、相続人が被相続人の配偶者、長男、次男の3人である場合には(2)に該当しますから、総体的遺留分は2分の1です。この場合、法定相続分は配偶者2分の1、長男4分の1、次男4分の1なりますから、個別的遺留分は配偶者4分の1、長男8分の1、次男8分の1となります。

なお、遺留分のない兄弟姉妹が、遺留分のある配偶者とともに相続人となるケースがあります。この場合、(2)に該当するので総体的遺留分は2分の1となりますが、兄弟姉妹に遺留分がないため、配偶者の個別的遺留分は2分の1となります。

遺留分の放棄

遺留分権利者は、自己の遺留分を放棄することもできます。ただし、相続開始前に放棄する場合には、家庭裁判所の許可が必要になります。遺留分を放棄した人がいる場合でも、他の遺留分権利者の遺留分が増加することはありません。

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遺留分を請求する際の流れ

遺留分を侵害する人に対して遺留分減殺請求を行う

遺言書によって遺留分を相続できなくなった場合、遺留分を取り戻すためには、遺留分を侵害している人に対して遺留分減殺請求を行う必要があります。遺留分を侵害している人とは、遺贈を受けた人(受遺者)になります。

なお、遺留分減殺請求の対象となる財産には生前贈与も含まれるため、生前贈与を受けた人(受贈者)に対して遺留分減殺請求を行うこともあります。

遺留分減殺請求の対象となる財産

遺留分減殺請求の対象になるのは、遺言書により遺贈された財産だけではありません。相続開始前1年以内に生前贈与された財産のほか、それ以前に生前贈与された財産でも当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合には対象となります。

また、相続人に対する贈与が特別受益に該当する場合にも、贈与された財産は原則として遺留分減殺請求の対象となります。

遺留分減殺請求の順序

遺留分減殺請求の対象として、遺贈と生前贈与の両方がある場合には、遺贈から減殺するというルールがあります。生前贈与については、新しいものから順に減殺することになります。

遺留分減殺請求の流れ

遺留分減殺請求をする場合には、概ね次のような流れになります。

1. 遺留分減殺請求の通知

遺留分減殺請求について、法律上定められている方式はありません。遺留分減殺請求はどのような方法で行ってもかまいませんが、口頭で行っても証拠が残らないため、書面で請求するべきです。一般には、配達証明付き内容証明郵便を利用するケースが多くなっています。

2. 当事者間で話し合い

遺留分減殺請求の通知が相手方に届いたら、相手方と遺留分の返還について話し合いを行います。話し合いにより遺留分を返還してもらえればそれで良いのですが、後日のトラブルを予防するため、合意書や和解書などの書面を残しておきましょう。公正証書を作成しておけば、それにもとづき強制執行の手続きをとることもできます。

3. 遺留分減殺請求調停

遺留分減殺請求を行っても、スムーズに遺留分を返還してもらえるケースは少なくなっています。当事者同士の話し合いで解決しない場合には、家庭裁判所に「遺留分減殺による物件返還請求調停(遺留分減殺請求調停)」を申し立てすることができます。調停が成立すれば、調停調書が作成されますので、調停調書にもとづき強制執行して遺留分の取り戻しを行うこともできます。

4. 遺留分減殺請求訴訟

遺留分減殺請求調停が不成立になった場合、自動的に審判に移行するわけではありません。争いを解決するためには、別途遺留分減殺請求訴訟を提起する必要があります。

なお、訴訟でも必ず判決が出るというわけではなく、和解が勧められるケースが多くなっています。判決または和解により遺留分の取り戻しが決まれば、強制執行も可能になります。

相続紛争を予防するために遺言書を作成したいという方は多いと思います。しかし、せっかく遺言書を用意していても、遺留分を侵害する内容であれば、逆にトラブルを招いてしまうことがあります。遺言書を作成するときには、遺留分を考慮した内容にしておくのが安心です。

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