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トラブルが生じやすい注意すべき契約書の種類

他社と取引関係に入るときには、トラブル防止のために契約書を交わすでしょう。契約書の種類によっては、記載内容に注意しておかないと、かえってトラブルになることがあります。

ここでは、トラブルが生じやすい契約書の種類について説明しますので、契約締結の際の参考にしてください。

売買契約書

ビジネスにおいて、最も頻繁に行われているのが売買取引です。売買契約書は作成頻度も多いため、トラブルになることも多くなっています。売買契約書を作成する際の注意点を知っておきましょう。

目的物を具体的に特定する

売買契約を結ぶときには、目的物を誰が見てもわかりやすいように特定しておかなければなりません。売買契約においては、目的物の品質や仕様は重要です。

品質や仕様を具体的に明示するために、別紙として仕様書などを添付し、契約書では「本件商品の規格、仕様は別紙のとおりとする」等と記載しておくとよいでしょう。

引き渡し場所や引き渡し方法を決めておく

目的物の引き渡し場所や搬送費用について契約書で定めていなければ、民法の原則が適用されます。民法の原則では、買主の所在地で目的物を提供し、搬送費用は売主の負担となっています。

この通りにすると不都合がある場合には、契約書で指定しておかなければなりません。

代金の支払方法を明確にしておく

売買契約では、代金をいつまでにどのようにして支払うのかを決めておく必要があります。振込で支払う場合には、振込手数料をどちらが負担するのかも明らかにしておきましょう。

継続的な取引の場合には基本契約を締結

同種の商品を継続的に取引する場合、いちいち契約書を交わしていたのでは手間がかかります。このような場合には、取引の基本的な条件を定める基本契約を結んでおき、個別の売買(個別契約)については発注書や注文請書のやりとりで契約成立とするのが一般的です。

売買基本契約書には、契約の適用範囲(売主・買主間のすべての売買に適用されるのか)、個別契約の成立要件、基本契約と個別契約が食い違う場合どちらが優先するのかなども記載します。売買基本契約書は将来にわたり取引の基本となるものなので、慎重に作成するようにしましょう。

売買契約書は対等な信用関係で作成すべき

相手方から契約書を提示された場合、相手方に一方的に有利な内容になっていることがあります。契約自由の原則により、違法でない限り、契約書で決めた内容が優先です。不利な条項がないかよく確認しましょう。

秘密保持契約書

他社と契約して取引するようになると、自社のさまざまな情報を開示することになります。情報漏えいを防ぐためには、取引の相手方との間で秘密保持契約(NDA)を結んでおかなければなりません。

取引に係る契約書に秘密保持条項を入れてもかまいませんが、別途秘密保持契約書を交わす方法もあります。

「秘密」の内容を特定する

秘密保持契約を締結するときには、「秘密情報」とは何かを定義しておかなければなりません。たとえば、「相手方に開示し、かつ開示の際に秘密である旨明示した技術上または営業上の情報」などと特定しておきます。

なお、何もかも秘密情報にしてしまうと相手方にとって負担になるため、次のような情報は対象外とする旨記載しておくのが一般的です。

(1) 開示を受けたときに既に保有していた情報

(2) 開示を受けた後、秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報

(3) 開示を受けた後、相手方から開示を受けた情報に関係なく独自に取得し、又は創出した情報

(4) 開示を受けたときに既に公知であった情報

(5) 開示を受けた後、自己の責めに帰し得ない事由により公知となった情報

情報開示義務を負うことにならないか注意

秘密保持契約では、情報開示の範囲を規定すべきかどうか迷うこともあるでしょう。情報開示の範囲を規定する場合、開示義務がある形になると、開示する側にとって不利になってしまいます。

特に、自社が情報を開示する側である場合、開示範囲は自社の裁量で決められる形になっていれば安心です。

合理的な秘密保持期間を設定する

秘密保持契約を結ぶときには、有効期間をどうするかという問題があります。有効期間を無期限とするのは現実的ではありません。

不必要に長い期間を設定すると、経済活動を過度に制約するものとして無効になってしまう可能性もあります。秘密情報の性質にもよりますが、2~3年程度の有効期間を設定するのが一般的です。

秘密情報を開示する側にとっては、有効期間が長い方が安心でしょう。しかし、秘密情報の開示を受ける側は、有効期間が長いと負担が重くなってしまいます。自社にとってリスクにならない有効期間を設定しましょう。

請負契約書

民法の規定によると、「請負」とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」契約とされています。請負契約書の注意事項を知っておきましょう。

「請負契約書」というタイトルでないこともある

典型的な請負契約としては、建設業者との間で締結する「建設工事請負契約」があります。また、社内の業務を外注するときに、「業務請負契約」という形で業者と契約を結ぶことも多いでしょう。

ビジネスでよく利用される「業務委託契約」も、受託者が完成義務を負う場合には、請負契約に該当します。民法上、「業務委託」という契約類型はなく、業務委託契約はその性質によって請負契約、委任(準委任)契約、寄託契約などに分かれます。

製造や開発などを委託する業務委託契約は、法律的には請負契約です。

請負契約書は権利関係の帰属と移転に注意

    

ビジネスにおいて請負契約を結ぶときには、単に仕事を完成させるだけでなく、完成品の権利を移転させる必要があります。請負契約書では、権利移転の時期に注意しておきましょう。

権利移転の時期としては、引き渡し時、検収合格時、代金支払い時などが考えられます。契約書に支払い時期が明記されていないと、民法の原則により、完成品の引き渡しと同時に代金を支払わなければならなくなります。

下請法の適用を受ける場合がある

請負契約は、強制法規である下請法の規制を受けることがあります。下請法の適用対象となるのは、親事業者と下請事業者の資本金が、次に該当する場合です。

1. 物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合

ア 親事業者が3億円超で下請事業者が3億円以下(個人含む)

イ 親事業者が1千万円超3億円以下で下請事業者が1千万円以下(個人含む)

2. 情報成果物作成・役務提供委託を行う場合(1の場合を除く)

ア 親事業者が5千万円超で下請事業者が5千万円以下(個人含む)

イ 親事業者が1千万円超5千万円以下で下請事業者が1千万円以下(個人含む)

下請法では、親事業者の義務(書面交付、遅延利息の支払いなど)や禁止事項(下請代金支払遅延、下請代金減額など)が定められています。下請法の適用がある場合、下請法に反する契約は無効になりますから、注意しておきましょう。

まとめ

売買契約書、秘密保持契約書、請負契約書といった種類の契約書は、頻繁に作成されます。上記のような点に注意して契約書を作成しましょう。

契約書にはこれら以外の種類もあり、注意しておかなければならない点も種類ごとに異なります。うっかり不利な契約を結んでしまうことのないよう、契約書の作成やチェックは専門家に依頼するのがおすすめです。

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