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代表取締役が辞任・死亡したら?株式会社の代表者変更登記と注意点を司法書士が解説


※本記事は更新日現在の法令・実務に基づき内容を確認済です。

執筆
司法書士 速水陶冶
/司法書士法人はやみず総合事務所 代表

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。自身の経験から、相続や借金に関する問題の困難さとその解決の重要性を深く理解しており、依頼者の不安に寄り添った丁寧なサポートを信条としている。

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。自身の経験から、相続や借金に関する問題の困難さとその解決の重要性を深く理解しており、依頼者の不安に寄り添った丁寧なサポートを信条としている。

代表取締役が辞任・死亡したら?株式会社の代表者変更登記と注意点を司法書士が解説
会社のトップである代表取締役が、もし突然辞任あるいは急逝してしまった場合、残された取締役や従業員は「すぐに何をすればいいのか」と戸惑うことが多いでしょう。

なぜなら、代表者が不在になると、銀行口座の手続きや契約の締結がストップしてしまうからです。特に中小企業では、代表取締役が実質的に経営のすべてを担っているケースが多く、迅速な対応が求められます。

そこで本記事では、代表取締役の辞任・死亡時に必要な登記や手続き、そして注意点を司法書士がわかりやすく解説します。

期限は「2週間以内」:辞任・死亡の事実発生から2週間以内に変更登記をしないと、最大100万円の過料(登記懈怠)が科されるリスクがあります。

新代表者は定款で決まる:残りの取締役が自動的に代表権を持つか(代表権付与の登記)、株主総会・取締役会の決議が必要か、会社の定款を確認しましょう。

必要書類を迅速に準備:辞任届や死亡を証する書面(戸籍謄本など)、印鑑証明書等の収集が必須となります。

登記後の銀行手続きが最重要:登記が完了しても、法人の銀行口座の名義変更をしないと銀行取引が滞る恐れがあります。

専門家へ依頼が確実:手続きの複雑さや期限の厳しさから、司法書士に依頼することで、不備なく迅速に手続きを完了できます。

代表取締役の急な辞任・死亡で、何をすべきか分からない!』そんな時は、すぐにご相談ください。複雑で期限のある代表者変更登記を、司法書士が迅速かつ確実に対応いたします。 【03-5155-9195】

なぜ急ぐ?代表取締役の変更登記の「期限」と「義務」

なぜ急ぐ?代表取締役の変更登記の「期限」と「義務」
会社の代表者がいなくなった場合、その状態をそのまま放置しておくことには大きなリスクがあります。
ここでは、すぐに手続きをとらなければならない理由を説明します。

会社法上の厳格な義務と期限

会社法では、役員に変更があった場合には、役員変更登記を行うことが義務付けられています。役員変更登記は、変更のあった日から2週間以内に申請しなければなりません。この期間を過ぎると「登記懈怠」とされ、100万円以下の過料に処せられる可能性があります。

登記情報の重要性

会社の登記簿は、会社の信用を示す公的な情報です。もし、代表者の変更が登記されていなければ、銀行取引、重要な契約締結、行政手続きなどが進まず、会社の業務に支障をきたします。さらに、登記簿上の代表者と実際の代表者が異なる状態が続けば、取引先からの信用を失いかねません。

【辞任・死亡別】新しい代表者は誰になる?選定のルールと手続き

新しい代表者は誰になる?選定のルールと手続き
辞任や死亡により代表取締役が不在となった場合、すぐに新しい代表取締役を選任する必要があります。
誰が新しい代表者になるかについては、会社の機関設計(取締役会設置の有無)や定款の定めから判断しなければなりません。

代表取締役が「辞任」した場合

代表取締役の辞任は、その意思表示が会社に到達した日に効力が発生します。この辞任により、代表取締役の地位は空席となるため、遅滞なく新しい代表取締役を選任する必要があります。

その際の選任方法は、取締役会を置いている会社(取締役会設置会社)か、置いていない会社(取締役会非設置会社)かによって異なります。

取締役会設置会社 原則的には取締役会の決議で新しい代表取締役を選定します。ただし、定款に「株主総会の決議によって選定する」旨が定められている場合には、それに従って株主総会で決めます。
取締役会非設置会社 定款に定められた方法で新しい代表取締役を選定します。一般的には、株主総会の決議または取締役の互選で代表取締役を決めることが多くなります。

代表取締役が「死亡」した場合

死亡の場合には、死亡と同時に代表取締役も退任となり、新しい代表取締役が選定されるまで代表取締役不在となります。新代表取締役の選定方法は、基本的には辞任の場合と同様です。

なお、取締役が複数名いる場合、定款の定めによっては残った取締役が自動的に代表権を持つことがあります。この場合、代表取締役の選定手続きは不要ですが、「代表権付与の登記」という形で、残存取締役に代表権があることを登記簿に反映させる必要があります。

代表者が選定されるまでの暫定措置

代表取締役辞任後、すぐに新しい代表者が選定できない場合、「権利義務代表取締役」という制度が適用されることがあります。

権利義務代表取締役とは、次の代表者が就任するまで、前任の代表取締役が暫定的に代表取締役としての権利と義務を一時的に有するというものです。ただし、これはあくまで暫定措置であり、速やかな新代表者の選定と登記申請が必要です。

なお、権利義務代表取締役の制度は辞任の場合にのみ適用され、死亡の場合には適用されません。

代表者変更登記の申請手続きの流れと必要書類

代表者変更登記の申請手続きの流れと必要書類
代表者変更登記には2週間という期限があるため、速やかに準備しなければなりません。
ここからは、登記申請の流れや必要書類について確認しておきましょう。

登記申請の基本的な流れ

登記手続きの大まかな流れは次のようになります。

代表者変更の原因発生

まず、代表取締役の辞任届の受理または死亡の事実確認を行います。この日が登記期限の起算日となるため、日付を正確に記録しておくことが重要です。

新しい代表者の選定

会社の機関設計と定款の規定に従って、新代表者を選定します。取締役会設置会社であれば取締役会を開催し、取締役会非設置会社であれば株主総会または取締役の互選で決定します。そして、この決定は必ず議事録として書面化します。

必要書類の作成・収集

登記申請に必要な書類を準備します。後述する添付書類のリストを参照し、漏れがないよう確認します。

法務局へ登記申請

必要書類をすべて揃えて、変更があった日から2週間以内に、会社の本店所在地を管轄する法務局に登記申請を行います。申請方法は、窓口への持参、郵送、あるいはオンライン申請から選べます。

登記完了

申請から通常2~3週間程度で登記が完了します。補正が必要な場合には法務局から連絡が来るため、速やかに対応します。登記完了後は、登記事項証明書を取得して内容を確認します。

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辞任・死亡、選定方法別の必要添付書類

代表者変更登記の際には、変更の原因や選定方法に応じた必要書類を提出しなければなりません。
そこで以下では、選定方法別に原則的に必要となる書類を説明します。
選定方法にかかわらず必要となる書類
登記申請書

定められた書式に従って必要事項を正確に記載する必要があります。

前代表取締役の辞任届・印鑑証明書(辞任の場合)

前代表取締役が辞任届に実印を押印し、それに対応する印鑑証明書の添付が必要です。ただし、前代表取締役が辞任届に法務局に登録済みの印鑑を押した場合には、印鑑証明書は不要です。

死亡を証する書面(死亡の場合)

前代表取締役の死亡の記載のある戸籍謄本や住民票の除票、死亡診断書などが必要です。

委任状

司法書士などの代理人に申請を委任した場合には、委任状を添付します。

取締役の互選で代表者を選定した場合(いちばん多いケース)
取締役会を設置していない会社が、取締役間の協議で新たな代表者を選定した場合には、次の書類が必要になります。
取締役による互選書・印鑑証明書

互選書には、互選に係る合意をした取締役全員の実印・印鑑証明書が必要です。ただし、前代表取締役が法務局に届出している印鑑を押印している場合には、取締役の実印・印鑑証明書は不要です。

新代表取締役の就任承諾書・印鑑証明書

新代表取締役が実印を押した就任承諾書と印鑑証明書が必要です。ただし、取締役から昇格して新代表取締役に就任した場合には実印・印鑑証明書は不要です。

株主総会で代表者を選定した場合
取締役会を設置していない会社が、株主総会で新代表者を選定した場合には、次の書類が必要です。
株主総会議事録・印鑑証明書

株主総会議事録には、議長及び出席取締役が実印を押印し、印鑑証明書を添付します。ただし、前代表取締役が法務局に届出している印鑑を押印している場合には、議長・出席取締役の実印・印鑑証明書は不要です。

新代表取締役の就任承諾書・印鑑証明書

新代表取締役が実印を押した就任承諾書と印鑑証明書が必要です。ただし、取締役から昇格して新代表取締役に就任した場合には実印・印鑑証明書は不要です。

株主リスト

議決権を行使した株主の氏名・住所・議決権数などを記載した書面です。

取締役会で代表者を選定した場合
取締役会設置会社において、取締役会で新代表取締役が選定された場合には、次の書類を用意します。
取締役会議事録・印鑑証明書

取締役会議事録には出席した取締役・監査役全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。ただし、前代表取締役が法務局に届出している印鑑を押印している場合には、取締役の実印・印鑑証明書は不要です。

新代表取締役の就任承諾書・印鑑証明書

新代表取締役が実印を押した就任承諾書と印鑑証明書が必要です。

代表者変更登記にかかる費用

代表者変更登記にかかる費用
代表者変更登記の際にかかる費用がどれくらいかを説明します。

登録免許税

代表者変更登記にかかる登録免許税は、資本金によって異なります。資本金の額が1億円以下の会社の場合には1万円、資本金が1億円を超える会社の場合には3万円です。

司法書士報酬

司法書士に登記申請を依頼した場合には、司法書士報酬がかかります。司法書士報酬は事務所によって異なりますが、代表者変更など役員変更登記の相場は3~5万円前後です。

緊急で対応が必要な場合や、会社の状況が複雑な場合などには、追加費用が発生することもあります。

登記申請後の重要事項!代表者変更に伴う会社の諸手続き

登記申請後の重要事項!代表者変更に伴う会社の諸手続き
代表者変更登記が完了したからといって、すべての手続きが終わったわけではありません。
会社が通常業務を支障なく継続するためには、関係各所への届出や手続きが必要です。

銀行口座の名義変更

最優先で行うべきは、銀行口座の名義変更です。銀行口座には原則として代表者の個人名も登録されているため、代表者を変更したときには口座名義の変更が必要です。

口座の名義変更をせずに放置していると、取引に支障が出る可能性があります。したがって、各銀行のホームページなどで名義変更の方法や必要書類を確認し、速やかに手続きしましょう。

税務署・自治体への異動届

税務関係の届出も必要です。国税(法人税)に関しては本店所在地を管轄する税務署に、地方税(法人事業税、法人住民税)に関しては都道府県税事務所及び市区町村役場に法人異動届を提出します。

期限は厳格には定められていませんが、やはり速やかに行う必要があります。

契約書・許認可証等の名義確認

会社が締結している各種契約や保有している許認可において、代表者名が記載されているものがないか確認し、必要であれば変更手続きをします。

不動産賃貸借契約、リース契約、業務委託契約などの契約については、相手方との合意があれば覚書などで代表者を変更できます。契約の重要度に応じて、適切に対応しましょう。

許認可については、代表者変更の届出が義務付けられているケースが多くあります。許認可の種類によって手続きや期限が異なるため、個別に確認が必要です。

新代表者の「印鑑届出」

会社の実印(代表者印)を新しいものに変更する場合、または既存の印鑑を新代表者が引き続き使用する場合、いづれも法務局への印鑑届出が必要です。

印鑑届出を完了させないと、会社の印鑑証明書が取得できず、不動産取引や重要な契約の際に支障をきたします。代表者変更登記と合わせて、速やかに手続きを済ませましょう。

【注意喚起】代表者変更登記で失敗しないためのポイント

【注意喚起】代表者変更登記で失敗しないためのポイント
さて、ここからは、代表者変更登記で失敗しないために、特に気を付けておきたい実務上の注意点をまとめます。

登記事項と添付書類の住所・氏名の一致

登記手続きの際には、提出した書面の厳格な審査が行われます。登記簿上と添付書類の住所・氏名が少しでも違うと、法務局から補正指示が出されます。そのため、書類提出前に表記が一致しているか必ず確認しましょう。

役員の任期管理

会社の役員には任期があり、任期満了したら退任となります。任期満了後も継続して役員を務める場合には、重任(再任)の手続きをしなければなりません。いずれにしろ、任期が到来したら役員変更登記が必要です。

代表者変更のタイミングで、ぜひ他の役員の任期も確認しましょう。任期が近い役員がいる場合は、まとめて手続きを行うことで、手間や費用をより効率化できます。

定款の確認の徹底

新しい代表者の選定方法は、会社の定款で定められている場合があります。特に、取締役が複数いる場合の代表権付与の有無などは、定款を確認しなければ気付きにくいものです。途中で一からやり直しとならないよう、手続きを進める前に定款の確認を徹底しておきましょう。

代表者変更登記を司法書士に依頼するメリット

代表者変更登記を司法書士に依頼するメリット

代表者変更登記は厳格な期限が設けられていることに加え、必要書類の準備がわかりにくく複雑です。とりわけ代表者が突然不在となった場合、残された方は社内や取引先の対応に追われ、肝心の登記手続きにまで手が回らないのが実情でしょう。

しかし、もし書類に不備やミスがあり、登記の完了が遅れてしまうと、その間に銀行取引や重要な契約の締結が滞るなど、会社の業務継続に深刻な支障をきたす事態に発展しかねません。

そのため、登記申請は手続きに慣れた専門家である司法書士に依頼するのがおすすめです。司法書士に登記申請を依頼すれば、複雑なケースでも迅速に手続きを完了できます。これにより、取引先の信用を失うことなく、スムーズに代表者の交代ができます。

まとめ

まとめ

代表取締役の辞任や死亡は、会社にとって非常に大きな出来事です。会社の存続のために、「2週間」という期限があることを認識しておき、速やかに手続きを行う必要があります。

代表者変更登記は複雑で、添付書類に不備があれば登記が大幅に遅れることもあります。会社の信用と迅速な業務再開のために、迷わず登記手続きは専門家である司法書士へ依頼するのがおすすめです。

当事務所でも、会社の状況に合わせた最適なサポートを行います。代表者変更登記でお困りの方は、お気軽にご

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代表プロフィール

速水 陶冶
(はやみず とうや)

東京司法書士会(登録番号 5341号)
※簡易裁判所代理権認定(認定番号 1001015号)

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