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家族信託(民事信託)で認知症のリスクに備えておこう

老後の備えとして考えておかなければならないのが、認知症対策です。認知症になれば、判断能力が低下し、自分の財産を適切に管理できなくなってしまいます。

認知症対策に有効な方法として注目されているのが家族信託(民事信託)です。ここでは、家族信託(民事信託)で認知症のリスクに備えることについて解説します。

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家族信託(民事信託)で認知症のリスクに備える

高齢化により誰もが認知症になるリスクがある

日本では、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は約27%(2017年時点)となっており、世界屈指の長寿国となっています。高齢化により寿命が延びたということは、生きている間に認知症になるリスクも高まったということです。

これからの時代を生きていくために、認知症対策は欠かせません。どんなに気を付けていても、絶対に認知症にならないという保証はないからです。誰もが認知症に対する備えをしておかなければならない時代になったといえるでしょう。

認知症になれば財産のデッドロックが起こる

認知症になったときには、財産を管理する上で問題が起こります。認知症により判断能力が低下すれば、自らが財産を管理することができなくなってしまうからです。認知症になれば、自分の意思で契約を締結することはできません。不動産などの財産を所有していても、その財産を他人に貸したり、売却したりすることはできなくなってしまいます。

自分の意思で財産の管理や処分ができなくなると、財産は事実上凍結された状態になります。たとえ子であっても、親の財産を勝手に処分することはできません。このように生きている間に財産が凍結された状態をデッドロックと呼ぶことがあります。

遺言は相続が開始しないと効力が発生しない

亡くなった後の財産承継をスムーズに行うために、遺言を書いて対策する人は多いと思います。遺言は相続対策にはなりますが、認知症対策にはなりません。たとえば、親の不動産を長男に相続させる旨の遺言を書いていた場合、親が亡くなれば長男は不動産の管理や処分ができます。しかし、親が認知症になったときにも、長男が不動産の管理や処分をできるわけではありません。

遺言が効力を生じるのは、遺言を書いた本人(遺言者)が亡くなって、相続が発生してからになります。遺言者が生きている限り、他人が勝手に遺言者の財産を売却等することはできないのです。

成年後見人は自由に財産を処分できるわけではない

認知症の人の財産管理をサポートする制度として、成年後見制度があります。成年後見制度には、認知症になる前に自分で後見人になってもらう人を選んで契約しておく任意後見制度と、認知症になってから親族などが家庭裁判所に申し立てて後見人を選任してもらう法定後見制度があります。

成年後見制度を利用すれば、認知症の人に成年後見人を付けることができます。成年後見人にも本人の財産を処分する権限がありますが、制限があります。

成年後見人が居住用不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要です。この場合、手続きが煩雑になってしまう上に、必ず許可が得られるとは限りません。処分の必要性がなければ、許可されないこともあります。

家族信託(民事信託)は認知症対策になる

認知症対策に有効と言われるのが、家族信託(民事信託)になります。家族信託は、信頼できる家族に財産を託す方法です。家族信託では、実質的に財産の所有者としての立場を維持しながら、家族に財産の管理・処分権限を与えることができます。

家族信託は当事者間の契約で内容を決めることができるので、遺言や成年後見に比べて柔軟性があります。あらかじめ家族信託を設定しておけば、認知症になったときにも、財産のデッドロックが起こりません。財産の売却等についても、家族に任せることができます。

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家族信託(民事信託)で所有権や管理権を明らかにしておこう

所有権には管理権と受益権が含まれる

財産を所有しているということは、所有権を持っているということです。この所有権ですが、細かくは、管理権と受益権の2つが含まれると考えられます。たとえば、財産が不動産の場合、管理権とは修繕や建て替え、売却などを決める権利です。不動産を所有していれば、不動産の修繕や売却については、自分で決めることができます。

一方、受益権とは、財産から発生するお金を得る権利です。不動産の所有権があれば、その不動産の賃料や売却代金を受け取ることもできます。不動産を誰かに譲渡すると、所有権が移転します。所有権とは、通常、管理権と受益権がセットになったものです。所有権を移転すれば、管理権も受益権も当然に移転することになります。

家族信託(民事信託)なら管理権と受益権を分けられる

家族信託は、所有権のうちの管理権と受益権を分けることができるしくみです。家族信託では、財産の所有者(委託者)、受託者(財産を託される人)、受益者(財産から得られる利益を享受する人)の3者がかかわってきます。

委託者が家族信託を設定するときには、受託者に所有権のうち管理権のみを切り離して与えることができます。受益権については自らに残しておくこともできますが、他人を受益者として受益権を享受させることも可能です。

認知症になる前に家族信託(民事信託)を設定しておく

認知症になる前に家族信託(民事信託)を設定して信頼できる家族に財産の管理権を与えておけば、認知症になったときにも、家族がそのまま財産の管理を続けることができます。

信託契約では、受託者に与える権限の内容を自由に決められます。財産を売却等して処分する権限を受託者に与えておけば、認知症になって財産が凍結されることもありません。受託者に適切に財産を処分してもらうことが可能になります。

家族信託なら生前贈与よりも税負担が小さい

財産の凍結を防ぐために、認知症になる前に財産を生前贈与しておく方法もあります。しかし、生前贈与をすれば、贈与税の負担が大きくなってしまいます。贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、110万円を超えると税額が発生します。不動産を生前贈与すれば、通常は基礎控除を超えてしまうでしょう。不動産の生前贈与では、不動産取得税もかかります。

家族信託を設定した場合、委託者自らが受益者であれば、贈与税はかかりません。また、不動産取得税についても特例があり、課税されない扱いになっています。なお、不動産の場合、生前贈与でも家族信託でも名義変更を伴うので、登録免許税がかかります。登録免許税も、生前贈与よりも家族信託の方がはるかに少ない額です。

家族信託(民事信託)は相続対策としても有効

家族信託では、認知症対策だけでなく、相続対策もできます。家族信託では、自分が亡くなった後の受益者も指定できるので、遺言書の代わりとして使えるからです。家族信託では、一次受益者が亡くなった後の二次受益者の指定も可能です。遺言書ではできない二次相続対策ができるのも、家族信託のメリットになります。

まとめ

家族信託は委託者と受託者の契約で設定できます。認知症になった後には契約はできませんから、家族信託を設定するなら、早いうちにしなければなりません。

家族信託は便利ですが、老後や相続に備えた対策をするなら、成年後見や遺言書を組み合わせた方がよいこともあります。どういった手続きや方法がおすすめかについては、ケースバイケースなので、専門家に相談するようにしましょう。

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