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必ず知っておくべき!家族信託(民事信託)のデメリットについて

家族信託(民事信託)では、成年後見や遺言ではできないこともできるため、老後の財産管理や次世代への財産承継に有効と言われます。一見、万能に思われる家族信託ですが、デメリットはないのかが気になるでしょう。

ここでは、家族信託のデメリットについて解説します。

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家族信託(民事信託)は損益通算ができなくなる

家族信託では誰に税金が課税されるのかがわかりにくい

家族信託を設定するときには、税金について注意が必要です。信託の税金は、通常のケースとは異なり、わかりにくくなっています。これから家族信託を始めるなら、税金面でのデメリットがないかどうかを十分検討しましょう。

日本の税制では、実態主義(実質課税)、受益者負担が原則です。これは、名義とは関係なく、実際に利益を得る人に税金が課されるという意味です。

たとえば、委託者以外を受益者として家族信託を設定した場合には、受益者に贈与税が課税されます。また、委託者の死亡を条件として委託者から受益者に権利が移ったら、みなし相続として、相続税の課税対象です。信託契約を結ぶ前に、税金面のシミュレーションをしておきましょう。

不動産の家族信託では受益者に不動産所得が発生する

収益不動産を信託する場合には、所得税に注意しましょう。不動産の信託では、信託不動産から発生する家賃収入などの収益は、受益者が受け取ります。収益不動産に信託を設定した場合には、受益者に所得税が課税されるということです。

不動産の信託では、不動産の名義は受託者に変更されますが、受託者には所得税などの税金は課税されません。税金は受益者に課税されるということを認識しておきましょう。

通常のケースでは不動産所得のマイナス分はプラス分と相殺可能

所得税においては、「損益通算」や「純損失の繰越控除」といって、マイナス分をプラス分から差し引きできる制度があります。信託ではない通常のケースでは、このマイナス分とプラス分の相殺により、税金を安くできます。

損益通算とは、不動産所得、事業所得、譲渡所得などの各種の所得のマイナス分をプラス分と相殺できる制度です。たとえば、事業所得と不動産所得がある場合、事業所得が大きくても不動産所得が赤字なら、赤字分を差し引きして税金を抑えられます。

純損失の繰越控除とは、青色申告した場合に、損失額を翌年以降3年間にわたって繰り越し、各年分の所得から控除できるというものです。たとえば、大規模修繕で不動産所得が赤字になった年があったら、翌年以降もその赤字分を控除して税金を安くできます。

不動産の家族信託では損益通算ができない

収益不動産を家族信託した場合、損益通算ができなくなるというデメリットがあることを知っておきましょう。信託の受益者については、信託不動産から損失が出ても、所得税の計算においてはその損失は生じなかったものとみなされる規定があります(租税特別措置法41条の4の2)。

信託不動産のマイナス分は、他の不動産所得や事業所得などと損益通算することはできません。信託契約を複数に分けた場合であっても、他の信託契約で発生した不動産所得との損益通算は不可能です。また、純損失の繰越控除もできません。不動産を家族信託すれば、不動産から生じるマイナス分をどこかから差し引くことはできなくなってしまいます。

収益不動産の家族信託は税金面を検討しておく

家族信託には、委託者自らを受益者とする自益信託と、他人を受益者とする他益信託があります。どちらの場合でも、損益通算はできません。

自らの収益不動産の一部を自益信託した場合、それまでと変わらず不動産所得の申告が必要ですが、損益通算ができなくなってしまいます。収益不動産を家族信託すると、税金面でデメリットが生じることがありますから、十分な検討が必要です。

家族信託(民事信託)で収益がある場合は税務申告が必要

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家族信託では、次のように税務署への届出や税務申告の手間が発生することもデメリットと言えます。

①信託設定時

信託設定時には、受託者に届出義務があります。受託者は、自益信託や信託財産の評価額が50万円以下の場合を除き、信託財産の種類・所在場所・価額等を記載した調書及び合計表を税務署に提出しなければなりません。

②毎年1月31日まで

信託財産から年間3万円を超える収益がある場合には、受託者は、毎年1月31日までに、信託計算書及び信託計算書合計表を税務署に提出する必要があります。

③確定申告時

信託不動産から収益がある場合には、受益者は確定申告書に不動産所得用の明細書及び信託財産に関する明細書を添付して申告を行わなければなりません。

④信託終了時

受託者は、信託が終了した日の属する月の翌月末日までに、信託財産の種類・所在場所・価額等を記載した調書及び合計表を税務署に提出する必要があります。

家族信託ですべてカバーできるわけではない

家族信託(民事信託)から漏れた財産は遺言書が必要になる

家族信託を設定する場合には、生前に信託契約を結ぶことになります。家族信託のデメリットとして、相続発生時に存在する財産をすべてカバーできるわけではないという点があります。

家族信託でカバーできない財産については、別途遺言書を作成する必要があります。遺言書を作成すれば、すべての相続財産の帰属先を指定することも可能です。

家族信託ではできないけれど、遺言ではできることというのはほかにもあります。たとえば、遺留分減殺請求の順序の指定は遺言ではできますが、家族信託では対応できません。家族信託は万能ではなく、遺言と併用するのがおすすめです。

身上監護は成年後見でないと対応できない

老後の不安を解消するためには、財産の管理を任せるだけでは十分でないでしょう。家族信託では、財産管理しか任せることができないのもデメリットになります。介護施設や老人ホームへの入所手続きや病院への入院手続きなど、身上監護と呼ばれる身の回りの世話をしてもらうには、成年後見人が必要です。

成年後見人を付けてもらいたい場合、判断能力があるうちに後見人になってもらう人を選んで任意後見契約を結んでおく必要があります。なお、任意後見契約を結んでいない場合には、親族などが後見人選任の申し立てをすることにより、法定後見人が選任されることになります。

家族信託では長期間家族を拘束する点にも注意

家族信託では、受益者存続型信託を設定することも可能です。受益者存続型信託とは、一次受益者だけでなく、二次受益者以降も指定する形の信託になります。

受益者存続型信託を設定すれば、何世代にもわたって、自分の希望するとおりの財産承継を実現させることも可能になります。信託を設定する側にとっては都合がいいかもしれませんが、長期間親族を拘束することになってしまう点はデメリットとも言えるでしょう。

自分の希望だけで家族信託を設定するのはおすすめではありません。特に、長期間にわたる家族信託を設定する場合には、事前に親族の十分な理解を得ておくべきでしょう。

まとめ

家族信託を始めるときには、メリットだけでなく、デメリットにも注意しておきましょう。家族信託には税制メリットはなく、注意しなければ税金面でのデメリットが生じる可能性もあります。家族信託を設定する場合には、専門家のアドバイスを受け、メリットを最大限享受できる方法を見つけましょう。

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