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成年後見人にはどんな権限があるの?

認知症の人に成年後見人を付けると、本人ができないことでも、成年後見人にやってもらえることがあります。

しかし、成年後見人であれば何でもできるというわけではありません。ここでは成年後見人の権限について説明しますので、成年後見人にはどんなことをしてもらえるのかを知っておきましょう。

成年後見人に法律上与えられている権限とは?

成年後見人には取消権がある

成年後見人には成年被後見人がした法律行為を取消する権限が与えられています。法律行為とは、主に契約です。

たとえば、認知症の被後見人が高額の商品やサービスを購入する契約を一人で結んでしまった場合、成年後見人が契約を取消することで被後見人の財産を守ることができます。

取消の方法

成年後見人が契約を取消する場合には、相手方に対して取消通知書を内容証明郵便で送る方法が一般的です。契約の相手方が、本人が成年後見を受けていることを知らなかった場合でも、成年後見人は本人が結んだ契約を取消できます。

事前の同意があっても取消できる

被後見人は、成年後見人の同意を得ていても、自分だけで有効な契約ができるわけではありません。事前に成年後見人の同意を得ていたとしても、後で成年後見人が契約を取消することは可能と考えられています。

なお、被後見人が自分でした契約が本人にとって不利益にならないようなケースでは、成年後見人が追認して有効な契約にすることができます。

成年後見人が取消できない行為

成年後見人は被後見人の法律行為を原則的に取消できますが、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」については取消できないことが民法に明記されています。

たとえば、被後見人がスーパーで食料品を買った後で、成年後見人がその買い物を取り消すということはできません。

なお、日常生活に関する行為にはどのような行為が該当するのかについては、被後見人の収入や資産状況などによって変わってきます。取消できるかどうかは、個々のケースごとに考えなければなりません。

成年後見人には包括的代理権がある

成年後見人には被後見人を代理する権限が与えられています。成年後見人の代理権は包括的な代理権なので、個々の行為を委任状なしで行うことができます。

なお、結婚、離婚、養子縁組などの身分行為は、成年後見人であっても代理することはできません。

利益相反行為は代理できない

成年後見人と被後見人の利益が対立する行為については、成年後見人が代理できないので、特別代理人を選任してもらう必要があります。後見監督人が選任されている場合には、後見監督人が成年後見人の代わりに代理人となります。

居住用不動産の処分については裁判所の許可が必要

成年後見人は被後見人の不動産の売買契約を代理しますが、居住用不動産を売却等して処分する場合には、勝手に代理することはできません。事前に裁判所の許可を受ける必要があります。

被後見人が介護施設に入ることになった場合、本人の自宅を売却して施設の入居費用に充てたいといったケースはよくあるでしょう。このような場合には、成年後見人が家庭裁判所に居住用不動産の処分の許可申立てをし、許可が下りてから売却手続きをすることになります。

任意後見人は契約で代理権の範囲を決められる

本人が任意後見契約を結んで任意後見人が付いた場合、任意後見人の代理権は任意後見契約で定められた範囲になります。

任意後見契約では当事者双方が合意すれば自由に契約内容を決められるので、本人が後見人に何をやってほしいかをあらかじめ決めることができます。

成年後見人には成年被後見人の身上監護が求められる

身上監護とは

成年後見人の重要な仕事として、成年被後見人の身上監護があります。身上監護とは、生活・療養監護に関する事務処理のことです。成年後見人は、被後見人が適切な環境で適切な医療や介護を受けられるよう、必要な手配を行います。

たとえば、被後見人の健康状態が悪化して介護サービスを受ける必要性が出てきたら、成年後見人が適切なサービスを探して契約を締結することになります。

こうした身上監護は、成年後見人が独断で行うのではなく、できるだけ本人の意思に沿った形で行うべきものです。

医療に関する身上監護

身上監護の1つに、医療に関することがあります。成年後見人には、被後見人が医療を受けるための契約を締結する権限があります。

ただし、医療を受けること自体については、本人の同意が必要です。被後見人が医療処置を受けたくないと言っているのに、成年後見人の立場で医療を強制的に受けさせることはできません。

手術、輸血、延命措置等については成年後見人に同意権はありませんが、健康診断や検査など軽微な医療行為については成年後見人に同意権があると考えられています。

介護に関する身上監護

被後見人の介護に関することも、身上監護の1つです。被後見人に介護が必要になったとき、成年後見人は適切な介護が受けられるよう手配し、介護に関する契約を締結する権限を持っています。

介護サービスを受けるには要介護・要支援認定を受けなければなりません。成年後見人は被後見人に代わって要介護・要支援の認定申請ができます。

住居の確保に関する身上監護

成年後見人には、被後見人の住居の確保に関する契約を行う権限があります。被後見人が自宅で生活することが困難になったときには、成年後見人が住居を探して確保しなければなりません。

なお、被後見人を施設に入れるのが適切と思われる場合、本人の意思に反して成年後見人が入所を強制できるわけではありません。しかし、成年後見人には被後見人を説得することが求められるでしょう。

成年被後見人の意思を尊重した財産管理も必要

 

成年後見人の行う財産管理とは

成年被後見人は自分で財産管理ができないので、成年後見人が代わりに財産管理を行います。成年後見人は被後見人の財産を調査して把握した上で、日々の収入や支出を管理しなければなりません。

成年後見人は、不動産の権利証や賃貸借契約書、実印・銀行印、印鑑登録カード、預貯金通帳、キャッシュカード、年金関係書類、有価証券、その他の証書類や重要書類を預かって保管します。

被後見人の現金やキャッシュカードをすべて取り上げてしまうと日常のものも買えなくなってしまうので、必要な現金を小口で渡し、大口の現金は成年後見人が管理するような形です。

年金や賃料収入など入ってくるお金は成年後見人が受領し、税金、保険料、家賃支払い分など出て行くお金も成年後見人が通帳などでチェックします。

金融機関には届出が必要

成年後見が開始すると、成年後見人は金融機関の窓口で、成年後見制度に関する届出書を提出して手続きを行います。

銀行等で成年後見の届出をすると、口座を成年後見人が管理していることがわかるようになり、成年後見人以外の人が勝手に預貯金を引き出せなくなります。口座名義は「山田花子成年後見人鈴木一郎」のように変更されることがあります。

まとめ

成年後見人は、被後見人が締結した契約を取消したり、被後見人の代わりに契約を締結したりする権限があります。成年後見人には身上監護や財産管理を行う権限もあるので、成年後見制度を利用すれば、本人の生活環境を適切に維持することが可能になります。

認知症の家族の財産管理や日常の事務手続きに不安がある場合には、成年後見制度の利用を検討してみましょう。

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