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マンション管理組合法人の登記手続き|司法書士はやみず総合事務所

マンションをお持ちの人なら、必ずその一員となっているはずの管理組合。マンション管理組合は法人化し、管理組合法人とすることができます。

現在のところ、法人化されている管理組合は全体の1割強と言われています。しかし、法人化により様々なメリットを得られることから、今後は管理組合法人が増えていくものと思われます。

マンション管理組合を法人化すればどのようなメリットがあるのか、また、法人化の手続きはどうなっているかを知っておきましょう。

マンション管理組合法人とは?

 マンションを購入すると区分所有者になる

 マンションは、法律上は「区分建物」と呼ばれます。区分建物の権利義務関係については、通常の不動産と異なるところがあるため、「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」で具体的に定められています。

区分所有法では、区分建物の所有者は、「区分所有者」とされています。マンションを購入するなどして所有している人は、皆、区分所有者ということになります。

 区分所有者は当然に管理組合の構成員になる

区分所有法では、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」(第3条)と定められています。ここで言う「管理を行うための団体」が、マンション管理組合になります。

一戸建てと違い、マンションでは1つの建物の中にたくさんの人が住んでいます。マンションの管理はすべての区分所有者にかかわることですから、一部の人だけで勝手に決めるわけにはいきません。マンションの管理については区分所有者全員で話し合って決めるのが原則になり、管理組合はそのための団体ということになります。管理組合はマンションの住民が任意に加入する団体ではありません。区分所有者であれば、当然管理組合の構成員になります。

マンション管理組合は法人格を取得できる

マンション管理組合の法律的な性質は明確には定められておらず、そのままでは任意団体のようなものと考えられます。ただし、マンション管理組合は、法人化の手続きをすることにより、法人格を取得できるものとされています。マンション管理組合法人とは、マンション管理組合を法人化したものです。

以前は、区分所有者の数が30人以上のマンション管理組合しか法人化はできませんでした。平成14年の区分所有法改正により、区分所有者の数の要件は撤廃されたため、現在ではすべての管理組合で、手続きさえとることができれば法人化が可能になっています。

マンション管理組合を法人化するメリットとは?

管理組合法人名義で不動産を登記できる

マンション管理組合で、不動産を取得することがあります。たとえば、駐車場にするために隣接地を取得したり、空室を購入して集会室等にしたりするケースが考えられます。通常のマンション管理組合の場合、管理組合名義での不動産の登記ができないため、理事長個人名義もしくは区分所有者全員の名義で登記する必要があります。実際には、区分所有者全員の名義で登記というのは困難ですから、理事長個人名義で登記するケースが多いはずです。

管理組合所有の不動産を理事長個人名義で登記する場合、管理組合の名前を併記することはできません。そのため、登記簿上、理事長個人の財産と管理組合の財産の区別がつかなくなってしまい、不都合が生じることが考えられます。たとえば、理事長個人の借金の債権者が、管理組合の不動産を差押してしまう可能性もあります。また、理事長が亡くなった場合には、管理組合の財産についても、相続人から相続財産であるという主張をされるおそれがあります。

管理組合を法人化した場合には、管理組合法人名義で登記ができますから、こうした問題が発生する心配がなくなります。これまで通常の管理組合で不都合がなかったとしても、不動産を取得することになった場合には、その前提として、管理組合を法人化した方がよいでしょう。

管理組合法人名義の銀行口座を保有できる

マンション管理組合では、管理費や修繕積立金等の徴収や各種費用の支払いのための預金口座を保有しています。管理組合を法人化していない場合、預金口座は理事長の個人名義になってしまいます。この場合、理事長個人の財産と区別がつかなくなるほか、理事長が変わるたびに預金口座を変更しなければならない手間も発生してしまいます。

現在はマネーロンダリング等の防止のため、金融機関で200万円を超える取引を行うときには本人確認書類を提出しなければなりません。たとえば、管理組合でまとまった資金を引き出さなければならなくなったとき、預金口座が前理事長名義のままになっていれば、すぐに手続きができないなどの問題が生じることもあります。

マンション管理組合法人を作っておけば、理事長が変わったときに、預金口座の名義変更をする手間は発生しません。法人化により管理組合の財産を明確に分けて管理することができるようになり、理事長による預金の使い込み等の不正を防止する効果もあります。

迅速に訴訟を行うことができる

マンション管理組合が抱える問題として、住民による管理費や修繕積立金の滞納の問題があります。滞納を続ける住民に対し、支払督促や少額訴訟などの法的手段をとらねばならない場面も出てきます。その他にも、規約違反等のトラブルで、管理組合において訴訟を考えることはあると思います。

マンション管理組合が法人化されていない場合には、理事長個人が訴訟当事者にならねばならず、理事長の抱える負担が大きくなってしまいます。訴訟継続中に理事長が交代するようなことがあれば、手続きが煩雑になってしまうことも考えられます。

マンション管理組合を法人化すれば、法人自体が訴訟当事者になることができますから、スムーズに手続きができます。何かあっても法的手段がとりやすくなるため、問題が起こったときにも迅速な対処が可能になります。

資金調達がしやすくなることも

大規模修繕を行う場合や不動産を購入する場合には、金融機関から借入をしなければ、資金が不足することもあります。管理組合が借入する場合にも、法人化していた方が有利です。法人の方が一般に信用力が高いという面もありますが、手続きに必要な書類なども少なくなり、簡易迅速に資金調達ができる可能性が高くなります。

マンション管理組合法人化にデメリットはある?

法人としての事務手続きが増える

マンション管理組合を法人化するためには、当然ですがそのための事務手続きが発生します。法人設立時には、集会の決議をとった上で、法務局へ設立登記申請をしなければなりません。また、法人の登記事項に変更があった場合には、その都度変更登記を行う手間も発生します。管理組合法人の理事の任期は原則として2年ですから、少なくとも2年に1回は変更登記を行わなければなりません。法人化をしなければこれらの事務手続きは発生しませんから、手間が増える点はデメリットと考えられます。

法人化のデメリットはそれほどない

管理組合の法人化の手続きは、他の法人設立手続きと比べて簡易なものになっています。設立登記や変更登記の際の登録免許税も不要とされており、コストもそれほどかかりません。法人化で得られるメリットを考えると、デメリットはほとんどないと言ってもいいでしょう。

マンション管理組合を法人化する手続き

法務局で設立登記申請を行って法人化する

マンション管理組合法人は、新たに設立される法人ではなく、既にある管理組合に法人格を付与するものです。そのため、他の法人設立手続きに比べて、手続きも比較的簡単になっています。法人化に必要な手続きは、区分所有者の一定数の同意を得た後、法務局で設立登記申請を行うことのみになります。法人化のために行政庁の許可や認可は必要なく、法人設立後も行政庁の監督を受けることはありません。

管理組合法人化の流れ

マンション管理組合の法人化の具体的な流れは、次のようになります。

1.集会の決議

管理組合を法人化するには、区分所有者及び議決権の4分の3以上の多数による集会の決議(特別決議)が必要です。そのため、マンション管理組合を法人化するときには、まず集会を招集し、次の事項について決議します。

管理組合を法人とすること

法人化を特別決議により決定します。

法人の名称及び事務所所在地

名称及び事務所所在地も特別決議により決定します。なお、名称には必ず「管理組合法人」という文字を入れる必要があります。

理事及び監事の選任

管理組合法人には理事及び監事を置かなければなりません。規約に別段の定めがない場合には、集会で理事及び監事を選任する必要があります。なお、理事及び監事の選任決議は、普通決議で足ります。

管理規約の改正

管理組合規約を改正し、管理組合法人管理規約とする必要がありますので、承認決議をとります。

2.設立登記

設立に必要な手続きがすべて終わったときから2週間以内に、管理組合法人の事務所所在地を管轄する法務局で設立登記申請を行います。

登記申請に必要な書類等は、次のとおりです。

管理組合法人設立登記申請書

登記申請書を作成し、提出する必要があります。

集会の議事録

管理組合法人の設立に関する事項を決議した集会の議事録を添付します。

理事の就任承諾書

集会の席上において理事が就任承諾し、議事録にその旨の記載がある場合には、別途就任承諾書は不要です。

登記すべき事項を保存したCD-R等

登記すべき事項をCD-RまたはDVD-Rに保存して提出します。オンラインにより提出することも可能です。

印鑑届書

法人の代表者印は法務局に届出する必要があります。法務局でもらえる印鑑届書に法人の代表者印と代表者個人の実印を押し、代表者個人の印鑑証明書(3か月以内のもの)を添付して提出します。

委任状

登記申請を司法書士に委任する場合には、委任状が必要になります。

管理組合法人化にかかる費用

マンション管理組合法人化の主な手続きは、設立登記申請になります。法務局での登記申請の際には通常登録免許税がかかりますが、マンション管理組合法人の設立登記については、登録免許税は非課税となっています。なお、管理組合法人の設立手続きを司法書士に依頼した場合には、司法書士の報酬がかかります。

管理組合法人化にかかる時間

マンション管理組合法人の設立登記は、登記申請後1週間から10日程度で完了します。

管理組合法人化後の注意事項は?

従来の契約はそのままでもOK

管理組合を法人化しても、法人化前の管理組合との同一性は維持されます。法人化により、「○○管理組合法人」等に名称が変更することになりますが、従来の管理組合が締結した契約は法人化された後も有効ですから、契約を締結し直す必要はありません。

登記事項に変更があれば変更登記が必要

管理組合法人の登記事項に変更があった際には、変更した日から2週間以内に変更登記申請を行うことが義務付けられています。変更登記申請を怠った場合には、登記懈怠として20万円以下の過料(罰金)に処せられることがあります。なお、管理組合法人の変更登記についても、登録免許税は非課税となっています。

法人化しても税金面で特に変わりはない

管理組合は法人であってもなくても、収益事業を行うと、法人税の課税対象になります。法人化により扱いが変わるわけではありません。なお、収益事業とは、区分使用者以外に駐車場を有料で貸しているような場合になります。区分所有者にマンション敷地内の駐車場を使用させても収益事業には該当しません。

ただし、管理組合法人になった場合、収益事業を行っていなくても、そのままでは法人税の均等割が課税されてしまう可能性があります。均等割については自治体に減免措置が受けられますので、必要であれば減免の手続きをとるようにしましょう。

まとめ

マンション管理組合の法人化の手続きは、比較的簡単です。法人化により管理組合自体が権利義務の主体になることができ、管理組合の財産を明確に分けて管理することが可能になります。管理組合の法人化のためには、設立登記申請が必要です。管理組合法人設立は、司法書士にお任せください。当事務所でも管理組合法人設立の手続きをトータルにお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。

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