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相続登記にかかる費用相場がすぐに分かる!司法書士が徹底解説

監修
司法書士 速水陶冶
/司法書士法人はやみず総合事務所 代表

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。

相続登記の費用の種類と相場について

相続は、多くの人が一生に一度は経験することになるのではないかと思います。不動産の相続の手続きでは、相続登記(不動産の名義変更)が必要になります。ここでは、相続登記でかかる費用の種類や計算方法について説明します。

相続登記代行

相続登記にかかる全費用

相続登記でかかる費用の種類

不動産の相続登記にかかる費用は、大きく分けると①登録免許税②その他の実費(書類取り寄せ費用など)、③司法書士報酬の3つです。金額の相場は、次の表のとおりです。

①登録免許税不動産の固定資産評価額の0.4%
②その他の実費5,000円~1万円程度(※案件によって異なる)
③司法書士報酬(依頼した場合のみかかる。)10万円~20万円程度(※案件によって異なる)

①登録免許税②その他の実費は、自分で相続登記をする場合にも必ずかかってくる費用になります。③司法書士報酬は、司法書士に相続登記を依頼した場合にのみかかる費用になります。
②その他の実費には、戸籍謄本、固定資産評価証明書、登記簿謄本、印鑑証明書、住民票、戸籍附票等の取得費用があります。
以下、それぞれの費用について、詳しく説明します。

①登録免許税

登録免許税

登録免許税とは

登録免許税は、登記、登録、特許、免許、許可等について課せられる国税になります。不動産の登記を申請するときには、登録免許税を支払う必要があります。
所有権移転登記の場合には、原因によって登録免許税の税率が違ってきます。相続を原因とする所有権移転登記では、その不動産の固定資産税評価額に対し、1000分の4(0.4%)の税率になります。

固定資産税評価額の確認方法

登録免許税を計算するには、その不動産の固定資産税評価額を知る必要があります。固定資産税評価額は、市区町村役場で発行してもらえる固定資産評価税証明書で確認できます

登録免許税の計算方法

相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額の1000円未満の端数を切り捨てた上で税率(1000分の4)をかけて計算し、算出された額に100円未満の端数があるときには切り捨てたものが税額となります。なお、算出された額が1000円未満のときには、1000円が税額となります。

【事例】

たとえば、固定資産税評価額が5,432,100円の場合、1000円未満を切り捨てた5,432,000円で計算しますから、
5,432,000円×4/1000=21,728
となり、登録免許税額は100円未満を切り捨てた21,700円となります。

登録免許税の免税措置について

土地の相続登記について、以下(1)(2)の場合には登録免許税が免税になります。なお、免税措置の適用を受けるためには、登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と明記しなければなりません。もし記載を忘れると、免税措置が受けられなくなります。

(1) 相続登記未了の土地について次の相続が発生している場合

たとえば、祖父が亡くなった後、父への相続登記をしないまま父が亡くなり、子が相続人となっているケースです。この場合、祖父から父への相続(一次相続)、父から子への相続(二次相続)のそれぞれについて相続登記をしなければなりません。ただし、一次相続の登録免許税については免税になるため、二次相続の登録免許税だけ払えばよいことになります。

(2) 市街化区域以外で法務大臣が指定した土地で評価額10万円以下の場合

市街化区域以外の土地にうち、市町村の行政目的のため相続登記の促進を特に図る必要があるものとして法務大臣が指定した土地(※管轄の法務局のHP参照)については、土地の価額が10万円以下であれば、登録免許税が免除になります。

評価額が低い土地の場合、手間や費用をかけて相続登記をしようと考える人が少ないため、相続登記の促進を図る目的で免税措置が設けられています。

相続登記代行

必要書類の取得時にかかる費用(②その他の実費)

相続登記の際には、次のような書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 戸籍謄本一式(被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍、被相続人と相続人のつながりがわかる戸籍)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 遺産分割協議書または遺言書
  • 固定資産評価証明書

役所等で取り寄せが必要な書類について、取り寄せにかかる費用は、以下のようになっています。

戸籍謄本の取得費用

戸籍謄本の取得費用

相続登記で必要となる戸籍の範囲は広い

戸籍謄本とは、市区町村役場にある戸籍の原本をコピーしたものになります。相続登記をするためには、戸籍謄本が必要になります。この場合、亡くなった人(被相続人)の最後の戸籍謄本だけでなく、相続関係がわかる戸籍謄本をすべて取り寄せる必要があります
これは、法定相続人となる人を漏らさず確認するためです。
具体的には、被相続人については、出生から死亡までの戸籍謄本が必要になります。生まれてから死ぬまで同じ戸籍に入っている人というのは少なく、結婚していれば必ず戸籍を移動しているはずです。また、戸籍についてはこれまで何度か改製手続き(様式の変更)が行われており、同じ戸籍でも改製前のものと改製後のものの両方が必要になることがあります。
さらに、被相続人と相続人との関係がわかる戸籍謄本や、相続人の現在の戸籍謄本も必要です。相続人となるはずの人が被相続人より先に亡くなっていれば、代襲相続がわかるところまで取らなければなりません。戸籍を調べた結果、把握していない相続人が出てきた場合などは、その相続人の消息をつきとめるために戸籍を追っていく必要もあります。
このように、相続登記では、膨大な数の戸籍を取り寄せなければならないケースも出てきます。実際にどれだけの戸籍が必要になるのかはケースバイケースですが、戸籍謄本の取り寄せだけでもそれなりの費用がかかることを認識しておいた方が良いでしょう。

市区町村役場での戸籍謄本交付手数料

戸籍謄本は本籍地の市区町村役場に請求します。窓口で請求する以外に、郵送で請求することも可能です。市区町村役場での戸籍謄本の交付手数料は、1通450円になります(現在では戸籍はコンピュータ化されており、戸籍謄本は正式には「戸籍全部事項証明書」と言います)。
なお、戸籍の中の人が全員抜けたり、他の場所へ転籍したりしたことにより閉鎖された戸籍は「除籍」と呼ばれますが、除籍謄本の交付手数料は1通750円になります。戸籍改製があった場合の改製前の戸籍は「改製原戸籍」と呼ばれ、改製原戸籍謄本1通750円です。つまり、現在有効な戸籍謄本以外はすべて1通750円がかかるということです。
相続登記に必要な戸籍謄本の数は相続人の数などによって変わりますが、戸籍謄本一式をそろえると5000円から1万円程度はかかるのが一般的です。

戸籍謄本現在効力がある戸籍(現在戸籍)の写し
除籍謄本閉鎖された戸籍(除籍)の写し
改製原戸籍謄本戸籍制度の改製により新しい戸籍が作られた場合の元の戸籍(改製原戸籍)の写し

郵送請求の場合には小為替の手数料もかかる

戸籍謄本や除籍・原戸籍謄本を市区町村役場の窓口で請求する場合には、必要な手数料を現金でそのまま支払えばOKです。一方、郵送で請求する場合には、郵便局で必要な金額分の定額小為替を購入して同封することにより、市区町村役場に手数料を支払うことになります。
この定額小為替を郵便局で購入するときに、郵便局に支払う手数料が発生します。定額小為替には50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類があり、どのように組み合わせてもかまいませんが、1枚発行してもらうのに100円の手数料がかかります。たとえば、1500円を送金するために1000円と500円の2枚の小為替を発行してもらうと、200円の手数料がかかりますから、1700円を支払う必要があります。

登記簿謄本の取得費用

登記簿謄本の取得費用

不動産の登記簿謄本は、相続登記の添付書類となるわけではありませんが、不動産の現況を確認するため、準備の段階で必ず取得することになります。登記簿謄本(正式には「登記事項証明書」)の取得費用は、1通600円になります。土地と建物は別ですから、相続財産が被相続人の自宅の土地・建物という場合には、少なくとも2通の登記簿謄本が必要になります。なお、マンションの場合には、敷地権という形で土地と建物が一体化しており、土地も含めて1通ですむケースもあります。

その他の書類取得費用

その他の書類取得費用

相続登記の申請の際には、固定資産評価証明書を法務局に提出する必要があります。固定資産評価証明書は不動産の所在地の市区町村役場で発行してもらえますが、土地と建物のそれぞれで1件300円程度の手数料がかかります。郵送で請求する場合には、戸籍謄本と同様に定額小為替で送金することになりますから、小為替の手数料も加算されます。
また、印鑑証明書や住民票、戸籍の附票が必要な場合にも、1通300円程度がかかります。

司法書士報酬

司法書士報酬

司法書士報酬は依頼する事務所によって違う

相続登記を司法書士に依頼した場合には、司法書士に報酬を払う必要があります。司法書士報酬は、以前は統一の報酬規定がありましたが、現在は自由化されています。また、どの範囲の相続手続きを依頼するかといったことや、相続財産の金額によっても報酬額が変わってきますから、具体的な費用は見積もりしてもらうのが確実です。

相続登記を司法書士に依頼するメリット

上で説明したとおり、相続登記では、戸籍謄本の取り寄せだけでもかなりの手間がかかってしまいます。慣れない人が自分で手続きすると、時間ばかりがかかってしまってなかなか進まないこともあります
また、相続登記の前提として遺産分割協議書を作成しなければならないケースもあります。相続では、相続登記以外に金融機関等の手続きも必要になる場合がありますから、何から手を付けてよいのかもわからないことが多いと思います。
相続登記を司法書士に依頼すれば、相続登記に限らず、相続の際に必要になる手続きをまとめて任せられるというメリットがあります

不動産相続後にかかる費用

不動産の相続登記が終わった後にも、かかる費用があります。

固定資産税・都市計画税

不動産の所有者になると、毎年固定資産税が課税されます。市街化区域では都市計画税も合わせて課税されます。なお、住宅用地の固定資産税・都市計画税については軽減措置が設けられています。

 税率軽減措置
200㎡以下の部分200㎡超の部分
固定資産税1.4%(標準税率)1/61/3
都市計画税0.3%(制限税率)1/32/3

相続税

相続財産全体の金額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の課税対象になるため、相続税を納める必要があります。相続税の金額は、不動産の価額だけで決まるわけではなく、遺産の総額や相続人の数によって変わります。相続税は相続開始を知った日から10か月以内に納税しなければなりません。

その他の税金

売買や贈与で不動産を取得した場合には不動産取得税がかかりますが、相続による取得の場合には不動産取得税はかかりません。

相続した不動産を売却した場合、譲渡所得が発生すれば、譲渡所得税がかかります。

なお、賃貸アパートなどの投資用不動産を相続した場合、家賃収入があった年には所得税・住民税がかかります。不動産貸付を事業的規模で行う場合には、不動産所得が一定額を超えると個人事業税の課税対象になります。

不動産の管理費用

相続した不動産に住まずに空き家にする場合でも、不動産の管理はきちんとしなければなりません。空き家等対策特別措置法により、空き家を放置していて「特定空き家」とされてしまった場合には、固定資産税等の軽減措置が受けられなくなることもあります。不動産の修繕費用のほか、管理を委託する場合には委託手数料も必要になります。

まとめ

相続手続きの際には、相続開始から10ヶ月以内という相続税申告の期限も意識しておかなければなりません。迅速かつ確実に手続きを進めるために、司法書士の力をご活用ください。当事務所では書類の取り寄せから遺産分割協議書作成、登記申請などトータルにサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

相続登記代行


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