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2018/01/16  カテゴリー: 相続Q&A

相続権を剥奪するための相続欠格について

民法には、本来は相続人になる人であっても、相続権が剥奪される制度があります。その1つが「相続欠格」と呼ばれるものです。 ここでは、相続欠格になって相続権が剥奪されるのはどのような場合なのかについて説明します。

相続権を剥奪するもう1つの制度である「相続廃除」との違いも知っておきましょう。

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相続欠格に該当するのはどのような場合?

民法に規定されている相続人のルール

人が亡くなったとき、相続人になる人の範囲は民法で定められています。民法上の相続人のことを法定相続人といいます。法定相続人には、配偶者相続人と血族相続人の2種類があります。

配偶者相続人となるのは、被相続人の配偶者1人だけです。亡くなった人(被相続人)に配偶者がいれば、必ず配偶者相続人として法定相続人になります。血族相続人となるのは、被相続人の血族になりますが、次のような優先順位があり、第2順位以降の人は先順位の人がいない場合にのみ相続人になります。

第1順位:子(亡くなっている場合には孫などが代襲相続)

 

第2順位:直系尊属(最も親等が近い人)

 

第3順位:兄弟姉妹(亡くなっている場合には甥・姪が代襲相続)

相続欠格に該当すれば相続人になれない

上記の法定相続人に該当する人でも、相続が発生したときに相続人になれないことがあります。それは、相続欠格に該当する場合です。相続欠格とは、被相続人に対して著しい非行をした人が、相続人としての資格を失うことです。

本来なら法定相続人になるはずの人でも、ひとたび相続欠格に該当すれば、その被相続人との関係では相続人になることができません。

相続欠格に該当するケース

どのような場合に相続欠格となるかについては、民法891条の1から5号に定められています。

①故意に被相続人又は先順位・同順位の相続人を死亡または死亡させようとして刑に処せられた場合

被相続人や他の相続人を殺害したり殺害しようとしたりした人は、相続人にはなれません。刑に処せられたことが条件ですから、正当防衛のケースや、執行猶予付き判決を得て猶予期間が満了したケースは該当しません。

②被相続人が殺害されたことを知って、これを告発・告訴しなかった場合

被相続人を自ら殺害したのでなくても、他人が殺害したのを知りながら告発または告訴しなかった人も、原則として相続人になれません。ただし、殺害者が自己の配偶者や直系血族であったときには、かばうのもやむを得ませんから、例外になります。

③詐欺または強迫によって、被相続人が遺言を書くのを妨げたり、遺言を撤回・取消・変更するのを妨げたりした場合

詐欺や強迫により、被相続人が遺言について何かするのを妨げた場合には、相続人になることができません。

④詐欺または強迫によって、被相続人に遺言を書かせたり、遺言を撤回・取消・変更させたりした場合

3号と同様に、被相続人の遺言に不当な干渉をした場合になりますが、こちらは積極的に遺言について何かをさせた場合になります。

⑤被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した場合

有効な遺言を偽造等した場合になります。無効な遺言を偽造等しても、欠格事由には該当しないとされています。

相続欠格の効果

相続欠格事由に該当すれば、その時点で相続権を剥奪されます。相続開始後に相続欠格事由に該当した場合には、相続開始時に遡って相続権を失うことになります。

相続欠格に該当した人は、相続人になれませんので、遺産分割協議にも参加できません。また、法定相続人の中に相続欠格者がいる場合、相続登記の添付書類として、相続欠格者自身が作成した相続欠格事由に該当することの証明書と、相続欠格者の印鑑証明書が必要になります。

なお、相続欠格では、代襲相続が発生します。相続欠格になった人に子(第1順位の場合には孫なども)がいる場合には、子が代襲相続人となります。

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相続欠格に手続きは必要?

欠格事由に該当すれば法律上当然に相続権がなくなる

民法891条に列挙されている欠格事由に該当すれば、自動的に相続欠格となり、相続権を失います。相続欠格とするために、裁判所の手続きは必要ありません。

相続欠格者が相続権を主張する場合の対処法

相続欠格事由に該当していると思われる人でも、自ら相続欠格を認めることなく、相続権を主張することもあると思います。このような場合には、裁判所に、相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えを提起して対処することになります。

相続欠格と相続廃除の違いとは?

相続廃除とは

相続欠格と似たものに、相続廃除があります。相続廃除とは、被相続人自らが、生前に家庭裁判所に請求もしくは遺言に書くことで、推定相続人(相続が開始した場合に相続人となる人)の相続権を剥奪することです。

相続廃除ができるケース

相続廃除ができるのは、推定相続人が、被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えた場合や、その他著しい非行があった場合になります。

相続欠格事由に該当すれば廃除するまでもなく相続権が剥奪されますから、相続欠格事由に該当していないが相続権を剥奪したい場合に、相続廃除を利用することになります。

相続廃除は手続きが必要

相続欠格は要件をみたせば自動的に相続権がなくなるものですが、相続廃除は被相続人の意思で相続権を奪うものになります。相続廃除するには、家庭裁判所に推定相続人廃除審判の申し立てをし、認めてもらう必要があります。

相続廃除の意思表示は遺言によりすることもできます。遺言により廃除を行う場合には、遺言で指定された遺言執行者が、相続開始後に家庭裁判所に廃除の審判を申し立てる必要があります。なお、家庭裁判所に相続廃除を申し立てても、認められるケースは少ないのが実情です。

相続廃除できる人は遺留分のある人

相続欠格では、相続人の範囲は限定されていません。しかし、相続廃除できるのは、「遺留分を有する推定相続人」に限られています。

兄弟姉妹には遺留分がありませんので、兄弟姉妹は相続廃除できません。遺留分のない兄弟姉妹には、遺言を書くことにより一切相続させないことができますから、あえて相続廃除をする必要はないと考えられるからです。

相続廃除は取り消しできる

相続欠格は、欠格事由に該当すれば自動的に相続権がなくなってしまうものですから、取り消しできるようなものではありません。相続欠格に該当した人を被相続人自らが許せば相続権を回復させることができるという説もありますが、明確な判例はありません。

相続廃除については、一度廃除の審判を受けても、取り消しできるとされています。ただし、取り消しをする場合にも、家庭裁判所に申し立て、廃除取り消しの審判を受ける必要があります。

相続廃除されても遺贈は受け取れる

相続欠格になった人は、相続権がなくなるだけでなく、被相続人から遺贈を受けることもできません。しかし、相続廃除された人は、被相続人から遺贈を受ける権利は失わないとされています。

本来なら相続人になれる人でも、相続欠格事由に該当していれば、相続ができないことがあります。ただし、相続欠格事由に該当するのは、犯罪と言えるような行為をした場合になりますので、あまり頻繁にあることではありません。特定の相続人に相続させないためには、相続廃除という方法もありますが、認められるケースは少なくなっています。

遺産を希望どおりに分配したい場合、遺言を書いて対処できることもあります。遺言や相続対策については、当事務所にご相談ください。

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