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不動産を共有名義で相続することの問題点

監修
司法書士 速水陶冶
/司法書士法人はやみず総合事務所 代表

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。

相続した不動産は共有名義にしない方がいいと言われますが、理由がよくわからない人も多いのではないでしょうか?今回は共有名義の相続がなぜ問題なのかを説明します。共有名義を防ぐ方法についても知っておきましょう。

共有名義の相続の問題点①不動産を処分するのが困難になる

相続まるごと代行

不動産の売却には共有者全員の同意が必要

不動産を共有名義にすると、不動産を売却等して処分するのが難しくなります。共有の不動産を売却するには、共有者全員の意思を一致させる必要があるからです。不動産の共有者の数が増えるほど、売却などの意思決定も困難になります。

共有物に対する共有者の権利関係については、民法に定められています。不動産の共有者は、不動産に対して何ができるかを確認しておきましょう。

共有者が共有物に対してできる行為は3種類に分かれる

民法によると、共有者が共有物に対してできる行為は、次の3つに分類されます。

(1) 変更行為

共有物に変更を加えることです。不動産の場合には、売却や建て替え、大規模修繕などが変更行為になります。変更行為を行うには、共有者全員の同意が必要です。

(2) 管理行為

共有物の性質を変更することなく利用したり改良したりする行為です。不動産を第三者に賃貸することは管理行為に含まれます。管理行為を行うには、共有持分の価格を基準に過半数の同意が必要です。

(3) 保存行為

共有物の物理的な現状を維持するための行為で、軽微な修繕などは保存行為になります。保存行為は各共有者が単独でできます。

共有者がいれば意思決定が困難になる

共有不動産の売却は変更行為なので、共有者全員の合意が必要です。不動産が分けられない場合、相続の時点では共有にすることで問題が解決したと思うかもしれません。しかし、後々になって不動産を処分する必要性が出てきたとき、相続人同士でもめてしまいがちです。

売却はしなくても、不動産を賃貸したいと考えることもあると思います。賃貸の場合でも共有持分の過半数の同意が必要になるので、スムーズに進まない可能性があります。

不動産を共有にすると、せっかく不動産を持っていても活用できません。不動産に住んでいる人はともかく、それ以外の人にとっては不動産を所有しているメリットが感じられないことになります。

共有名義の相続の問題点②持分の細分化が起きてしまう

相続まるごと代行

共有者の1人が死亡するとさらに共有者が増えることも

不動産を兄弟2人で相続した場合、兄弟仲が良ければ共有にすることにそれほど不安はないかもしれません。しかし、兄弟のどちらかが亡くなると、その配偶者や子供が共有持分を相続することになり、共有者が増える可能性があります。

不動産を相続した人も、いつかは亡くなって次の相続が発生します。共有相続した不動産をそのままにしておくと、次々と相続が発生し、雪だるま式に共有者が増えてしまうでしょう。共有者の中に関係が薄い人も含まれるようになり、ますます意思決定が困難になります。

相続登記をしていなかったらさらに面倒なことに

亡くなった人の不動産について、遺産分割協議で誰が相続するかを明確にさせないまま放置していることがあります。この場合には、相続登記をしていなくても、その不動産は相続人全員の共有の状態です。

共有不動産について次の相続が発生した場合、最初の相続人の相続人が共有持分を相続します。相続登記がされないまま相続が繰り返された場合、いったい誰が不動産に対して権利を持っているのかがわからなくなってしまうことがあります。

このような場合、どこかで相続登記をしようとしても、必要な書類がなかなか揃わず、手続きが非常に大変になってしまいます。相続が起こったら、速やかに遺産分割協議をして不動産を相続する人を決めておくことが大切です。持分の細分化を防ぐためにも、共有名義はできるだけ避けましょう。

相続不動産の共有を避ける方法①換価分割

不動産を売却して分ける「換価分割」

遺産分割をするときには、遺産そのものを分けるのではなく、遺産を売却した代金を分けることもできます。これは換価分割と呼ばれる方法です。遺産をお金に換えると、相続人間で公平に分けられます。

たとえば、母親が自宅不動産を残して亡くなり、相続人が長男と次男であるケースで換価分割するとします。不動産を売却して経費を差し引いた金額が1,000万円なら、長男、次男それぞれ500万円ずつを相続できることになります。

相続人全員に譲渡所得税がかかることに注意

換価分割を行うときには、譲渡所得税に注意しておく必要があります。相続した不動産の場合、値上がりしていて譲渡所得が発生するケースが多く、このようなケースは譲渡所得税の課税対象です。

相続した不動産の売却では、相続人全員に譲渡所得税がかかります。ただし、相続人によって譲渡所得税の3,000万円の特別控除が使えるかどうかが分かれ、税金に差が出ることがあります。

たとえば、上記の例で母親が長男と同居していた場合、長男には特別控除により譲渡所得税は発生しませんが、次男には発生します。売却代金を公平に分けたとしても、次男の方が手元に残る額は少なくなってしまいます。

相続不動産の共有を避ける方法②「代償分割」

不動産をもらう人に代償金を払って調整

母親、長女、次女の3人家族で母親が亡くなり、相続財産が自宅不動産のみであるケースで考えてみます。次女が独身で母親と同居していたなら、次女は自宅を相続したいでしょう。しかし、次女が自宅を相続すれば、長女が相続するものがありません。もし換価分割をすると、次女は自宅を失ってしまいます。

このような場合には、次女が自宅を取得する代わりに、長女に対して代償金を支払って調整する方法が利用できます。これは代償分割と呼ばれる方法です。

たとえば、家の価格が1,000万円である場合、次女から長女に500万円を払えば、相続によって得た額が500万円ずつになり、平等に分けられます。家の名義は次女一人にすることができるので、共有トラブルも防げます。

代償分割で注意しておくべき点とは?

代償分割をするには、代償金を用意する必要があります。代償金を分割で払う方法もありますが、相続人の同意を得るのが困難なことも多いでしょう。手元に現金がなければ、代償分割はあきらめないといけないこともあります。

また、相続不動産をどう評価するかで代償金の金額が変わるので、評価方法でもめてしまうこともあります。

不動産の共有を避ける方法③遺言を書いておく

遺言書で不動産を相続する人を指定

亡くなる前に不動産を特定の人に相続させる遺言書を書いておけば、遺言が優先になるため、相続不動産の共有を防ぐことができます。不動産をめぐって相続人同士でトラブルが起こることが予想されるなら、あらかじめ遺言書を用意しておくのがおすすめです。

遺留分に注意

不動産を相続させる人以外に遺留分を持つ人がいれば、遺留分に配慮しておく必要があります。その人が相続するものがなくなれば、遺留分を主張してくる可能性があるからです。

遺留分を侵害した場合、不動産を相続させた人は遺留分侵害額請求をされ、現金を払わなければならなくなる可能性があります。不動産以外の資産がない場合には、遺留分侵害額請求に備えて生命保険に入って現金を残すなどの対策をしておくのが安心です。

まとめ

不動産を相続人の共有にすると、将来的にトラブルになる可能性が高くなります。不動産以外に遺産がない場合でも、共有名義の相続を避けるため、換価分割や代償分割ができないかを検討しましょう。生前に遺言書で対策しておくのも有効です。

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