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2017/02/02  カテゴリー: 相続Q&A

相続人が行方不明で連絡が取れない場合の対応方法とは?

相続手続きを行うときに、相続人の中に行方不明の人がいる等、相続人に連絡がとれないという場合があると思います。ここでは、行方不明で連絡がとれない相続人がいる場合、どのような方法で相続手続きを進めればよいかについて説明します。

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相続人の中に行方不明者がいれば相続手続きに困ることがある

行方不明者にも相続人としての権利がある

相続人とは、亡くなった人(被相続人)の残した財産(相続財産)を受け継ぐ立場の人になります。相続人の範囲は民法で定められており、勝手に変えることはできません。被相続人と長年にわたって付き合いがなかった人でも、相続人としての権利を持っていることになります。 相続人の中には、行方不明で全く連絡がとれない人が含まれていることもあります。そのような場合にも、行方不明者を無視して相続手続きを進めるわけにはいかないことがあります。

行方不明の相続人も遺産分割協議に参加する必要がある

相続手続きでは、相続財産を確定した後、その相続財産をどのように分けるかを相続人で話し合うことになります。この話し合いを遺産分割協議といいます。 遺産分割協議は一部の相続人だけですませるというわけにはいかず、相続人全員で行わなければならないことになっています。もし相続人の中に行方不明者がいれば、そのままでは遺産分割協議ができません。行方不明の相続人にも連絡をとらなければならず、見つからない場合には行方不明者の代理人を立てて遺産分割協議をする必要があります。

遺言書があれば遺産分割協議なしで相続手続きができる

被相続人が遺言書を残している場合、民法で定められた法定相続よりも遺言が優先するというルールがあります。遺言があれば相続財産は遺言で指定された人、すなわち受遺者が承継することになりますので、相続人全員で遺産分割協議をする必要はありません。この場合には、相続人(受遺者以外)の中に行方不明者がいたとしても、その行方不明者を相続手続きに参加させる必要がないので、遺言書だけで手続きを進めることができます。

受遺者が行方不明でも遺言書の効力はなくならない

被相続人が遺言を書いているけれど、受遺者がそもそも行方不明でどこにいるのかがわからないというケースも考えられます。ちなみに、民法では、「遺贈(※遺言で相続財産を贈与すること)は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない」と定められています(994条)。しかし、行方不明者は死亡しているとは限りませんから、遺贈の効力はなくなりません。行方不明者に対する遺言も有効ですので、その行方不明者を探して見つからなければ、代理人を立てて遺言執行の手続きをする必要があります。

相続人の中に行方不明者がいる場合の対応方法

相続人の中に行方不明の人がいると言っても、状況によって対処方法は変わってきます。具体的には、次の(1)~(3)で段階別に考える必要があります。

連絡先がわからない場合

行方不明の人がどこに住んでいるのかがわからず、連絡がとれないという場合には、現在の住所を調べることにより連絡がとれる可能性があります。 役所で被相続人の戸籍謄本を取り、相続人の戸籍を追っていきます。行方不明の相続人の現在の本籍がわかれば、本籍地の役所で戸籍の附票を取ることにより、現住所を知ることができます。現住所がわかれば、手紙を出したり直接訪ねたりして連絡をとることを試みます。

生きているはずだが住所も居所もわからない

行方不明者はおそらく生きているだろうけれど、どこにいるのかが全くわからないということもあります。(1)の方法で住民票上の住所はわかりますが、その住所に住んでいないということもあり得ます。また、実際に居住していないなどの理由で住民登録が職権で抹消され、どこにも住民登録がないというケースもあります。 このような場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることができます。そして、不在者財産管理人が行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加したり、不動産の遺贈を受ける場合には相続登記の申請をしたりすることになります。

生死不明の状態が7年以上続いている場合

行方不明者の生死が7年以上(※震災などが原因の「危難失踪」の場合には1年以上)明らかでない場合には、裁判所に失踪宣告を申し立てることができます。失踪宣告とは、行方不明者を法律上死亡したものとして取り扱う制度になります。失踪宣告が出されると、行方不明者は行方不明になったときから7年経過したとき(※危難失踪の場合には危難が去ったとき)に死亡したとみなされることになります。

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行方不明の相続人がいる場合の遺産分割協議

まずは不在者財産管理人を申し立てる

行方不明の相続人がいて困るケースというのは、遺産分割協議の場面が多いと思います。この場合、遺産分割協議をするには、上述のとおり、不在者財産管理人の選任を申し立てるか、失踪宣告を申し立てるかしなければなりません。 行方不明になってから7年経過していなければそもそも失踪宣告は申し立てできませんし、失踪宣告は申し立てから宣告までに1年から1年半程度時間がかかってしまうという難点もあります。また、失踪宣告後に行方不明者が現れ宣告が取り消された場合には、権利関係が複雑になってしまうおそれもあります。 こうしたことから、相続人の中に行方不明者がいる場合には、不在者財産管理人の選任を申し立てて手続きすることが多くなっています。

不在者財産管理人選任の申立て方法

不在者財産管理人選任の申し立ては、家庭裁判所に申し立てします。申し立て手数料(収入印紙代)は800円で、申し立て時には以下のような書類が必要になります。 ○不在者の戸籍謄本 ○不在者の戸籍附票 ○財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票 ○不在の事実を証する資料 ○不在者の財産に関する資料 ○利害関係を証する資料 申立書には、不在者財産管理人の候補者を書くことができ、利害関係のない親族等を候補者にすることもできます。候補者がいない場合には、弁護士や司法書士が不在者財産管理人として選任されることになります。 申立後不在者財産管理人が選任されるまでの時間は1~3ヶ月程度になります。また、申し立て時には不在者財産管理人の管理費用の予納が必要になる場合があります。

遺産分割協議に参加するには権限外行為の許可が必要

不在者財産管理人は、民法103条に定められた保存行為、目的の物や権利の性質を超えない範囲における利用や改良行為のみを行うことができます。不在者財産管理人が行方不明者に代わって遺産分割協議に参加することは権限外の行為になりますから、別途家庭裁判所の許可が必要になります。

帰来時弁済型の遺産分割が行われることも

遺産分割協議において、行方不明者が財産を取得すると、不在者財産管理人は不在者がいつ戻ってくるのかもわからないのに財産を管理しなければならず、大きな負担になってしまいます。そのため、このような場合には、実務では帰来時弁済型の遺産分割が行われることが多くなっています。 帰来時弁済型の遺産分割とは、不在者の法定相続分を他の相続人が預かっておき、不在者が戻ってきたときには預かっておいた財産分のお金を支払うという内容の遺産分割になります。 帰来時弁済型遺産分割は必ず認められるわけではありません。少なくとも、財産を預かる相続人に十分な資力があることを証明しなければなりませんから、家庭裁判所が許可するかどうかはケースバイケースになります。 相続人の中に行方不明者がいると、相続手続きがスムーズに進まなくなることがあります。相続発生前であれば、遺言書を書いておくことで、相続時の問題に備えることもできます。当事務所では、遺言、相続の問題についてトータルにサポートいたします。相続対策、相続手続きでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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