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2017/08/23  カテゴリー: 相続Q&A

特別受益がある場合の相続分算定はどうなるの?

遺産分割の際に、特別受益が問題になることがあります。特別受益とは、相続人の中の特定の人が被相続人より受けた特別の利益のことで、相続分算定の際に影響を与えるものとなります。

ここでは、特別受益がある場合、相続分算定はどのようにして行うのかについて説明します。

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特別受益ってどんなもの?

法定相続分どおりだと不公平が生じることがある

複数の相続人(共同相続人)がいる場合、それぞれの相続人が相続できる割合は民法で定められています。これを法定相続分といいます。

共同相続人で相続財産を分ける場合には、原則的には法定相続分で分けることになります。ここで、相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈を受けている人がいる場合、法定相続分どおりに分けると、不公平が生じることがあります。

たとえば、被相続人に長男と次男の2人の子がいる場合、長男と次男の法定相続分は平等です。しかし、長男が生前に被相続人から事業資金として多額の援助を受けていたとすれば、長男ばかりが多く財産をもらっていることになり、次男としては納得がいかないことが多いでしょう。

特別受益を考慮して相続人間の公平を図る

そこで、共同相続人の中に被相続人から特別の利益を受けた人がいる場合には、その利益を「特別受益」として相続財産に加算して各相続人の取り分(具体的相続分)を調整する制度が設けられています。

特別受益を相続財産に加算することは、「持戻し」と呼ばれます。特別受益があるケースでは、持戻しされた「みなし相続財産」を法定相続分で分けることにより、具体的相続分が決まることになります。

特別受益に該当する場合とは?

特別受益の対象となるのは、共同相続人になります。そもそも相続人でない人は、被相続人から財産をもらっていても、特別受益者となることはありません。

また、被相続人から財産を受け取っていればすべて特別受益に該当するわけではなく、特別受益として認められるのは、民法上次の2つとされています。

①遺贈

遺贈とは遺言により贈与を行うことです。「○○に相続させる」という遺言(相続させる旨の遺言)の場合にも、特別受益の対象となります。

②婚姻・養子縁組または生計の資本

結婚や養子縁組の際の持参金や支度金、事業を始める際の開業資金などが考えられます。ただし、一律の基準があるわけではなく、特別受益に該当するかどうかは被相続人の資産状況や家庭事情なども考慮して決められます。

特別受益に該当する贈与には期間的な制約はある?

特別受益の対象となる生前贈与(婚姻・養子縁組または生計の資本)には、「相続開始前○年以内」といった期間的な制約はありません。贈与の時期にかかわらず、特別受益に該当する可能性があります。

特別受益が問題とならないケース

相続人が1人しかいない場合、生前贈与や遺贈を受けた人が相続放棄した場合、プラスの相続財産が存在しない場合、被相続人が遺言で遺産分割方法を指定している場合には、特別受益は問題となりません。

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特別受益が発生した際の相続分算定について

特別受益者がいる場合の相続分算定の流れ

特別受益がある場合の相続分算定方法は次のようになります。

1. 財産の持戻し

相続財産に生前贈与の額を加算します。なお、遺贈については、元々相続財産に含まれるので、持戻しは不要です。

2. みなし相続財産を法定相続分で分与

生前贈与分を持戻したみなし相続財産を法定相続分に従って各相続人で分けます。

3. 相続分から特別受益に該当する金額を差し引く

特別受益者については、みなし相続財産を法定相続分で分与した額から、特別受益に該当する金額を差し引いた金額が具体的相続分になります。

特別受益がある場合の相続分算定の例

<事例>

相続財産の額:3000万円

相続人:長男A、次男B、三男C

特別受益:長男Aは生前被相続人から飲食店開業資金として900万円の贈与を受けている

1. 長男Aが受けた生前贈与の金額900万円を持戻し、みなし相続財産とします。

(みなし相続財産)=3000万円+900万円=3900万円

2. みなし相続財産を法定相続分で分与します。

長男A、次男B、三男Cの法定相続分は平等(1/3ずつ)なので、

3900万円÷3=1300万円

3. 長男Aについては特別受益分を差し引きます。

1300万円-900万円=400万円

以上より、各相続人の具体的相続分は次のようになります。

長男A 400万円

次男B 1300万円

三男C 1300万円

公平な相続を行うための特別受益

特別受益は主張しなければ認められない

特別受益は、自動的に認められるものではありません。特別受益がある相続人がいても、共同相続人の誰も持戻しを請求しない場合には、特別受益を考慮した遺産分割はされないことになります。

公平な相続を行うために、他の共同相続人に特別受益がある場合には、その分の持戻しを請求すべきと考えられます。特別受益を考慮することで、相続人間の公平を図ることができますから、遺産分割がスムーズに進む可能性も高くなります。

遺産分割協議で特別受益を考慮することも可能

通常、遺産分割を行う場合には、まず、話し合い(遺産分割協議)での決着を目指します。特別受益者に該当すると思われる相続人がいる場合、遺産分割協議において共同相続人が特別受益の持戻しを請求し、誰も異議を唱えなければ、特別受益を考慮した遺産分割を行うことができます。

話し合いがまとまらなければ調停や審判で主張

遺産分割協議が成立しない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てることになります。

特別受益についての話し合いがまとまらない場合には、遺産分割協議が成立しませんから、遺産分割調停や遺産分割審判の中で特別受益を主張することになります。特別受益の有無だけを単独で訴訟などで争うことはできません。

特別受益は簡単には認められない

遺産分割調停や遺産分割審判で他の共同相続人の特別受益を主張する際には、金銭の流れを立証する証拠が必要になってくるほか、法律的な主張を的確に行う必要があり、簡単には認められない傾向があります。

持戻し免除の意思表示とは

被相続人は持戻し免除の意思表示ができる

特別受益がある場合には、被相続人が亡くなった後、遺産分割の際に特別受益分を相続財産に持戻して相続分を算定することになります。しかし、被相続人が特別受益の持戻しをしないでほしいという「持戻し免除」の意思表示をしている場合には、遺留分を侵害しない範囲でその意思表示が効力を持ちます。

被相続人自身が特定の相続人の取り分を多くしたいと考えている場合には、相続人間の公平よりも被相続人の意思を優先するということです。

持戻し免除の意思表示の方法

遺贈は遺言によって行うものですから、遺贈の場合には持戻し免除の意思表示も遺言によって行われる必要があると解されています。一方、生前贈与の場合には、明示であるか黙示であるかを問わないと考えられています。

持戻し免除について黙示の意思表示があるかどうかは、贈与の内容や金額、贈与の動機、被相続人と贈与を受けた人との関係、他の相続人との関係などの事情を総合的に考えて裁判所が判断することになります。

共同相続人の中に、被相続人から本来の相続分とは別に財産をもらっている人がいる場合には、遺産分割の際に特別受益として財産の持戻しが行われることがあります。遺言により相続対策を行う場合にも、特別受益について意識しておくと良いでしょう。

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