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カテゴリー: 解決事例集

【複雑な相続も解決】前妻の子がいるケースの遺産分割協議事例5選と円満解決のポイント

監修
司法書士 速水陶冶
/司法書士法人はやみず総合事務所 代表

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。自身の経験から、相続や借金に関する問題の困難さとその解決の重要性を深く理解しており、依頼者の不安に寄り添った丁寧なサポートを信条としている。

東京司法書士会所属。1979年東京都生まれ。幼少期に父親が事業に失敗し、貧しい少年時代を過ごす。高校を中退した後、様々な職を転々とするも一念発起して法律家の道へ。2009年司法書士試験合格。自身の経験から、相続や借金に関する問題の困難さとその解決の重要性を深く理解しており、依頼者の不安に寄り添った丁寧なサポートを信条としている。

前妻の子がいるケースの遺産分割協議事例5選と円満解決のポイント
前妻の子との相続トラブル、諦めないでください!

亡くなった人(被相続人)に前妻との間に子がいた場合、「共同相続人」となるため、遺産分割協議は複雑になりがちです。

私自身、突然の父の孤独死に直面し、腹違いの姉(想定外の相続人)の存在が発覚するという、当事者としての経験があります。法律論だけでなく、「知らない相続人とのやりとりの困難さ」を理解しているからこそ、当事務所では、前妻の子が関わる事案を数多く解決してきました。本記事では、これまでに解決した具体的な事例を5つご紹介します。

不動産の分け方疎遠な相続人への対応配偶者居住権の活用など、あなたのケースに近い解決策がきっと見つかります。

記事の最後には、前妻の子との相続を円満に終えるための重要ポイントをまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

📞【預貯金は法定相続分で】疎遠な前妻の子と円満に遺産分割協議が成立したケース

当事務所は、「連絡先も知らない前妻の子と、どう話せばいいのか…」「手続きが複雑そうで、何から手を付けていいか分からない」といった相続人様からの切実なご相談を数多くお受けしています。まずは現状をお聞かせください。【03-5155-9195】
ケース1 疎遠な前妻の子と円満に遺産分割協議が成立したケース
  • 依頼者:被相続人の長女
  • 相続財産

    預貯金3,000万円

ご相談内容

依頼者は、亡くなったお父さんの娘さんでした。(3人姉妹の長女)

お父さんには、前妻さんとの間に子供(依頼者からすると、腹違いの兄)が1人いることは、前々から聞いて知っていましたが、会ったことはありませんでした。

今回、お父さんが亡くなったことに伴い、預貯金や株、投資信託を相続する必要があり、当事務所に依頼がありました。

当事務所で戸籍調査を行い、お兄さんにお手紙を書いて連絡をした結果、幼い頃のお父さんに関する記憶もあり、遺産を相続をする意思があることを確認しました。

そして、相続人全員が法定相続分で遺産を取得する旨の遺産分割協議が円満にまとまり、無事に相続手続きを完了することができました。

🏠【相続放棄で解決】疎遠な前妻の子に連絡後、団地不動産を長男が単独相続したケース

ケース2 疎遠な前妻の子に連絡後、団地不動産を長男が単独相続したケース
  • 依頼者:被相続人の長男
  • 相続財産

    団地の部屋

ご相談内容

依頼者は、亡くなったお父さんの息子さんでした。お母さんは既に亡くなっていました。

お父さんは団地を所有していたため、相続登記をする必要があり、当事務所に依頼がありました。

この段階では、法定相続人は、依頼者一人であると想定していましたが、戸籍の調査を進めるなかで、実はお父さんには、お母さんと籍を入れる前に認知をした子供(娘)がいることが判明しました。(依頼者からすると、腹違いの姉ということになります。)

認知した子と相続権

当職のケースもそうでしたが、戸籍の調査を進めるなかで、依頼者が知らなかった想定外の相続人が判明することは珍しくありません。法律上、認知されたお子さんは、婚姻関係にある夫婦の間に生まれた嫡出子(ちゃくしゅつし)と同じ相続権(法定相続分)を持ちます。本件のように、被相続人との交流がほとんどなくても、相続人として遺産分割協議に参加する必要があります。

そのため、当事務所からお姉さんにお手紙を書いて連絡をしたところ、お父さんとの記憶はなく、煩わしいことに巻き込まれたくないという思いから、お姉さんは相続放棄を希望されました。

そして、当事務所でお姉さんの相続放棄をサポートした結果、無事に依頼者への相続登記を完了することができました。

🔑【配偶者居住権の活用】後妻の居住権と前妻の子の所有権を両立させた自宅相続

ケース3 後妻の居住権と前妻の子の所有権を両立させた自宅相続
  • 依頼者:被相続人の長女
  • 相続財産

    自宅の土地・建物と預貯金500万円

ご相談内容

依頼者は、亡くなったお父さんと前妻さんとの間の娘さん(長女)でした。

お父さんは再婚し、お互いに連れ子がいましたが、子供達は皆独立しており、現在の妻との間に子供はいませんでした。よって、相続人は、現在の妻と依頼者の2人です。

亡くなったお父さんと現在の妻は、お父さんが所有する郊外の一戸建てで、10年程生活を共にしてきました。そのため、妻はこの家に愛着があり、また、この地域に生活基盤が出来上がっていました。そうした事情から、妻は今後もこの家で生活していくことを、強く望んでいました。一方、依頼者も、生まれ育ったこの家を、自分が相続することを希望していました。

そこで、当事務所からの提案で、現在の妻は、生涯その家に居住する権利である配偶者居住権を取得し、依頼者は、その家の所有権を取得することとなりました。

配偶者居住権とは

配偶者居住権は、2020年4月に施行された新しい制度で、残された配偶者が自宅に生涯住み続ける権利(居住権)と、その自宅の所有権を分離できるのが大きな特徴です。この制度を活用することで、居住権を配偶者に、所有権を前妻の子(または他の相続人)に、と分けることが可能になり、居住の安定と遺産の公平な分割を両立させることができました。

妻と依頼者は、あまり親しい関係ではありませんでしたが、これで、お互いの望みが叶うこととなり、円満に遺産分割協議がまとまりました。

👧【代償金で解決】未成年の腹違いの妹(後妻の子)へ代償金を支払い自宅を単独相続

ケース4 未成年の腹違いの妹(後妻の子)へ代償金を支払い自宅を単独相続
  • 依頼者:被相続人の二女
  • 相続財産

    自宅の土地・建物

ご相談内容

依頼者は、亡くなったお父さんと前妻さんとの間の娘さん(二女)でした。

お父さんは、10年以上前にお母さんと離婚し、実家を出たきり、一切連絡がありませんでした。それ依頼、依頼者とお母さんは、お父さんが所有するこの家で生活をしてきました。

今回、依頼者は、お父さんが亡くなったことを知り、実家の相続登記(名義変更)を申請すべく、地元の司法書士さんに依頼し、お父さんの戸籍謄本を集めました。

そうしたところ、司法書士さんから意外な事実を告げられました。なんと、お父さんは家を出た後、他の女性(外国人)との間に子供をもうけていたのです。その子はまだ未成年で、その女性ともすぐに離婚をしていました。

依頼者としては、相続人は自分一人であると信じて疑いませんでしたので、ショックを受けます。他の相続人がいることが判明した以上、その相続人の同意なしに、依頼者名義への相続登記をすることはできません。

その後、どうすることもできなくなり、いくつかの司法書士事務所や弁護士事務所に相談しましたが、解決できずにいたところ、インターネットで当事務所を見つけ、依頼がありました。

当事務所では、まずその子の親権者である母親の連絡先を調べました。調査は難航しましたが、ようやく母親の連絡先を突き止め、コンタクトをとることに成功しました。

母親の意向は、その子の法定相続分に応じた「お金」を取得させてやりたいというものでした。そのため、依頼者が今も住んでいる自宅の土地・建物は、依頼者が取得することができ、未成年の子は、相続分に応じた代償金を取得することになりました。当事務所を介して無事に遺産分割協議も成立し、自宅の相続登記も完了しました。

代償分割のメリット

このように、特定の相続人(本件では依頼者)が不動産や事業用資産などの現物を取得する代わりに、他の相続人に対して法定相続分に相当する金銭を支払う遺産分割方法を「代償分割」といいます。自宅不動産を売却せずに解決できるため、不動産を残したい相続人にとって非常に有効な手段です。

未成年者の手続き

未成年者が相続人となる場合、親権者が代わりに遺産分割協議に参加しますが、親権者(本件では母親)も共同相続人であるため、利益相反行為となります。そのため、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立て、この特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議に参加することで、法的に有効な協議を成立させました。

🌍【行方不明の相続人対応】不在者財産管理人を選任し、海外在住の相続分を確保したケース

ケース5 不在者財産管理人を選任し、海外在住の相続分を確保したケース
  • 依頼者:被相続人の長女
  • 相続財産

    現金1200万円 自宅の土地・建物

ご相談内容

依頼者は、亡くなったお父さんの後妻さんとの間の長女でした。

お父さんには、前妻さんとの間に娘さん(依頼者からすると、腹違いの姉)が一人いましたが、そのお姉さんは、仕事の関係で外国に住んでいました。

依頼者とお姉さんとは交流があり、数年前までは、手紙やメールのやり取りがありましたが、ある時期以降、お姉さんとまったく連絡がつかなくなってしまいました。お姉さんの職場などに確認しましたが、一向に行方がわかりません。

今回の相続では、共同相続人であるお姉さんの所在がまったく分からないことから、お姉さんの代理人として、家庭裁判所で不在者財産管理人を選任してもらい、この不在者財産管理人と遺産分割の協議を行いました。

不在者財産管理人とは

不在者財産管理人は、行方不明の相続人に代わって財産を管理・保存し、遺産分割協議にも参加する権限を持つ人物(主に弁護士や司法書士)です。家庭裁判所への申立てによって選任されますが、遺産分割協議を行うためには、管理人に別途「権限外行為の許可」を得る必要があります。これにより、法的な手続きを踏んで、行方不明の相続人の権利を侵害することなく、他の相続人の相続手続きを進めることが可能となります。

そして、行方不明のお姉さんは、法定相続分に応じた現金を取得(不在者財産管理人がお姉さんの代わりに保管・管理)し、残りの遺産は、依頼者を含めた他の相続人がそれぞれ取得することとなり、無事に相続手続きを完了することができました。

🥇 最後に:前妻の子との相続を円満に終えるための3つの重要ポイント

解決事例を総括すると、前妻の子との相続を円満に進めるためには、以下の3点が特に重要です。

当事務所は、「連絡先も知らない前妻の子と、どう話せばいいのか…」「手続きが複雑そうで、何から手を付けていいか分からない」といった相続人様からの切実なご相談を数多くお受けしています。まずは現状をお聞かせください。【03-5155-9195】

速やかな連絡と丁寧な対応

疎遠であったとしても、法定相続人である前妻の子には、被相続人の死亡と相続手続きの開始を速やかに、かつ丁寧な手紙で通知することが重要です。連絡が遅れると、「隠蔽しようとした」と誤解され、信頼関係の構築が難しくなります。(事例1, 2, 4を参照)

私自身の経験でも、腹違いの姉への最初の一歩が、その後の全ての交渉を左右しました。当事者間でいきなり財産の話し合いを始めるのではなく、専門家を介して中立的な事実(戸籍調査の結果など)を伝えることが、感情的な摩擦を避け、スムーズな話し合いに移行する鍵となります。

戸籍調査による正確な相続人の確定

すべての相続人を正確に把握しなければ、遺産分割協議は無効となります。想定外の相続人が見つかった場合でも、焦らず司法書士などの専門家に依頼し、確実に戸籍調査を行うことが、トラブル回避の第一歩です。(事例2, 4を参照)

特に、当職のように故人の負債が後から発覚するケースもあるため、戸籍調査と同時に財産(プラス・マイナス両方)の調査をし、前妻の子に正確な相続の全体像を提示できるよう準備することが、信頼構築につながります。

柔軟な提案と専門知識の活用

自宅に住み続けたい(後妻)、金銭で解決したい(前妻の子)など、それぞれの要望をすべて叶えることは難しい場合があります。しかし、配偶者居住権や代償金、不在者財産管理人といった専門的な制度を柔軟に活用することで、お互いの希望を最大限に実現し、円満な合意形成を図ることが可能です。(事例3, 4, 5を参照)


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代表プロフィール

速水 陶冶
(はやみず とうや)

東京司法書士会(登録番号 5341号)
※簡易裁判所代理権認定(認定番号 1001015号)

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